不正改造は百害あって一理無し!

6月1日から6月30日は「不正改造車排除強化月間」となっています。文字通り、不正に改造されたクルマに対しての取り締まりを強化する月間ですが、自分は関係ないと思っていないでしょうか。前回前々回は、おもわず陥ってしまう不正改造について紹介してきました。これらの事例をもとに、今一度マイカーが不正改造になっていないか確認してみてはいかがでしょうか。不正改造は自分にもよいことはないですし、他人にも迷惑をかけてしまうもの。今回は、こんなクルマを見かけたら要注意であるとともに、地方運輸局及び運輸支局に設置されている相談窓口の「不正改造車110番」にご相談していただきたい例を紹介します。

運転手がまったく見えないクルマ

イラストのように、フロントガラスまで着色フィルムを貼ってあるクルマは、向こうからの視認性もよくないので危険

連載第2回で紹介した、着色フィルムをフロントウィンドウや運転者席・助手席の窓ガラスに貼って運転手席や助手席がまったく見えないクルマは不正改造です。可視光線透過率が少ないので、相手の運転手がこちらを認識しているかどうか疑わしく、思わぬ事故に巻き込まれることも考えられるのです。同じ理由で、ダッシュボードにたくさんの物を置いているクルマも要注意といえるでしょう。

明らかにタイヤがはみ出したクルマ

レーシングカーのように、明らかにフェンダーからタイヤがはみ出したクルマも不正改造。また、ボディの幅を超える巨大なスポイラーを搭載したクルマも危険な存在です。パーツの滑落という危険な事態に巻き込まれることも十分に考えられます。

前回の記事でも紹介したフェンダーをはみ出したタイヤと、ボディ幅を超えるサイズのリアスポイラー。ともに明らかな不正改造車である

轟音を発しているクルマおよびバイク

マフラーの集合管を切り取った、俗称「バラチョン」と呼ばれる例。轟音を発するだけでなく、エンジンに負担がかかり燃費も悪くなる。よいことなど何ひとつない

前回、前々回の記事では触れませんでしたが、窓を閉め切っても轟音が車内に響くクルマやバイクは、明らかに違法なマフラー、もしくはマフラーの切断を行っていると考えられます。こうしたドライバーやライダーは、危険運転が目的である場合が十分に考えられ、近寄らないのにこしたことはないですし、不正改造車110番に連絡してください。

フロントガラスを装飾しているトラックや、土砂等を運搬してさし枠を取り付けているダンプ

トラックでたまに見かける装飾板も実は不正改造。視界が悪くなって危険ですし、思わぬ事故に巻き込まれることもあるので要注意です。また、土砂等を運搬しているダンプで、さし枠を取り付けるなど、荷台の一部を高くしている場合もみかけますが、これらも不正改造。自動車には最大積載量が決まっており、その積載量を超えて走行すると、制動距離が延びたりカーブを曲がりきれなっかたりなかったりと、非常に危険です。また、さし枠が取れるなどして土砂が落ちてくることも考えられるので要注意です。

左はフロントガラスに装飾板を施した例。右は積載量を増やすため、違法に荷台をかさ上げした例。積載物が落下してくるなど危険だ

以上、3回にわたって不正改造について紹介してきました。不正改造は、ほかの車両や人を事故に巻き込んでしまったりするうこともあります。自分のクルマが不正改造車になっていないかはもちろん、不正改造車110番に相談するなど、不正改造車を徹底して排除していきたいものです。

もっとも陥りやすいのは“灯火”関連の不正

“灯火”関連以外の不正改造車の例