情報・教育・オフィス関連事業を扱う内田洋行はこのほど、"未来の教育を考える"「New Education Expo 2014 in 東京」を東京都江東区の東京ファッションタウンビルで実施した。「New Education Expo 2014 in 東京」は、小中高大の教職員を対象とした日本最大級の教育イベント。19回目となる今回は、130社の企業が出展し、6,000人が来場した。
イベントのテーマは「教育の未来を考える」。今回は、会場で見つけた「未来の子供が羨ましい!」と思ってしまう最先端の学校アイテムを紹介したい。
未来の学校は「体感」がキーワード!
まず最初に紹介したいのは、内田洋行の「フューチャークラスルーム」。1人1台のタブレット端末やマルチスクリーンなどを備えた、同社独自の未来型教室空間だ。
フューチャークラスルームは、壁3面がマルチスクリーンの役割を果たす。プロジェクターを使うことで、各面にそれぞれに異なるスライドを複数表示したり、ホワイトボードとして書き込めるようになる。
また、生徒がタブレットに書いた回答を、まとめてスクリーンに提示するシステムもある。それぞれの答えを一覧表示することで、クイズ番組の答え合わせのように、生徒同士で確認したりもできるという訳だ。もちろん一斉表示は先生側の簡単な操作で実行できるので、授業のスピードアップにもつながるという。
壁3面に美術作品を効果的に投影し、実物に近い大きさで鑑賞するという使い方も。教科書の画像を各自で見る授業よりも、「リアル」な学習を体験できるのがポイントだ。
未来の理科室ではミジンコの華麗な泳ぎが
次に紹介したいのは、同じく内田洋行の微生物観察用のプレパラート「水たまグラス」。特殊はっ水加工により、ガラスの上に「水たま」を作り出すことで、ミジンコの泳ぐ姿を360度から観察できるのだとか。
こんもりと水たまができているのがお分かりだろうか? |
「水たまグラス」を紹介してくれた内田洋行 公共本部の足利さんは、「実際に自分の目で生き物を観察することで、日本の子供たちに理科の楽しさを知ってほしい」と熱く語る。
たしかに、泳ぎ回るミジンコの第2触覚や心臓の動きは飽きることがなく、しばしぼーっと眺めてしまうほど魅力的だ。そして今まで見てきたミジンコは、プレパラートとカバーガラスに挟まれて横たわる、ちょっと切ない顔をしたやつらだったのだと気づくことができた。
ちなみに足利さんは、製品開発のためデスクでミジンコを20瓶分ほど飼育しているという。会場でミジンコを見すぎたせいか、筆者も思わずデスクでミジンコを飼いたくなった。
デジタルなんだけどアナログなペン
最後に紹介するのは、ネオラボの「neo.1 smart pen」。ペン・ノート・アプリで構成されたセット製品だ。
特徴は、特殊なコードが印刷された「紙」と、ボールペンの替芯を入れて使える「ペン」。このアイテムを使えば、手書きの情報をそのままBluetoothでアプリに転送することができる。また、書き込んだ情報をメールで送信したり、SNSなどで共有する機能も備えている。
会議録の共有など、教育現場よりもオフィスで活躍しそうな同アイテム。だがネオラボ 取締役 営業部長の小澤さんによると「neo.1 smart pen」は文教市場とも相性が良いという。
例えばタブレットの導入など、教育現場にもハイテク化の波は押し寄せているが、紙とペンというアナログな学習を重視する教師はまだ多いのだそう。「neo.1 smart pen」は、教育現場が求めるスタイルはそのままに、書いた内容を教師や生徒同士で共有できる。まさにデジタルとアナログの良さが共存したアイテムなのだ。
現在「neo.1 smart pen」は、韓国などで発売されており、今後日本でも販売を予定しているとのこと。詳細は後日発表される。
まとめ
18年前より、「日本の教育をより良くする方法を考える場」として開催されてきた「New Education Expo」。「フューチャークラスルーム」を筆頭に、教育現場における「情報通信技術(ICT)」の進化を肌で感じることができる展示が集結していた。
なおNew Education Expoは、20日・21日大阪でも開催予定。当日受付も実施しているので、未来の学校を体感したい方は是非大阪まで足を伸ばして欲しい。詳細はWebサイトより確認できる。