SBIホールディングスは、ロシアの大手総合金融グループMETROPOL(メトローポル)Investment Financial Company Ltd.とのジョイントベンチャーである商業銀行YAR(ヤール)Bank Ltd.(以下YAR Bank」、同社出資比率:50%)が、このたびロシアにて個人向けのオンラインバンキング事業を新たに開業したと発表した。
YAR Bankでは2011年6月の同社からの出資を機に、同社グループが日本で培ってきたオンラインバンキング事業におけるシステムやコールセンターの体制構築等のノウハウを活用した開業に向けて準備を進めてきたという。 新たに開業したYAR Bankのオンラインバンキング事業では、業界最高水準という預金金利と同最低水準という手数料体系、初年度年会費無料のクレジットカードや低金利で高い限度額を設定したカードローン等、ロシア国内で競争力のある商品・サービスを提供していくという。
ロシアでは対面店舗の個人向け営業を主とする銀行がオンラインバンキングサービスを補完的に提供しているケースはあるが、YAR Bankのようにオンライン上で個人向けに口座開設の申し込みを受け付け、来店不要で振込や送金等の各種銀行サービスを提供するオンラインバンキング事業はロシアの金融業界の中でも先駆的な取り組みになるとしている。
なお、YAR Bankの「YAR」という商号には、Yはロシア語で日本を表す"ヤポーニー"(Япония)、Rは"ロシア"から由来し、「日本とロシアの銀行」という意味を込めているという。
今後YAR Bankでは、同社グループの事業観の一つである「顧客中心主義」を徹底したサービスの提供により他行との差別化を図るとともに、当初、モスクワ市および周辺のモスクワ州、サンクトペテルブルク市および周辺のレニングラード州の個人顧客を中心に顧客基盤の拡大を図り、順次他の地方都市へも提供地域を拡大していく予定。
YAR Bankは1994年の設立以降に手掛けている法人向けビジネス(融資・預金・送金業務等)も引き続き展開し、個人向け・法人向けの両ビジネスで収益基盤の強化を図っていくとしている。
同社グループは今後も、日本においてこれまで蓄積してきた、証券、銀行などのオンライン金融事業に関するノウハウなどを各国の経済発展状況に応じて移出することで、新興諸国における金融事業の展開を進めていくとしている。