内閣府 経済社会総合研究所は16日、論文「大学院卒の賃金プレミアム ―マイクロデータによる年齢-賃金プロファイルの分析―」を発表した。それによると、大学院卒が収入面でのプレミアムを持つことがわかった。
同論文では、学部卒と大学院卒それぞれについて男女別に賃金関数を推定し、そこで得た予測値を用いて生涯にわたる期待賃金のプロファイルを作成した。
学部卒と大学院卒の賃金プロファイルを比べたところ、生涯賃金収入は男女ともに学部卒より大学院卒の方が高いことが判明。男性標準労働者(正規)について見ると、24歳時点では学部卒の賃金(年収)は325万円、大学院卒は309万円と学部卒の方が高いが、25歳で逆転した後、差は拡大し、52歳で差は約215万円まで広がる。その後は徐々に差は縮まるものの、65歳時点でも約55万円の差がみられた。
女性標準労働者(正規)については、男性同様、24歳時点の賃金は大学院卒の方が約32万円低いが、26歳で逆転した後、差は42歳まで広がり続け、約177万円の差に。その後、差は緩やかに縮小して52歳で29万円の差となるものの、再び差は開き始め、65歳時点では約312万円の差に拡大していた。
また、大学院進学に関する内部収益率を計算すると、博士前期課程(修士)を修了した場合、男性は11.4%、女性は10.1%、博士後期課程(博士)に進学した場合、男性は5.9%、女性は5.7%となった。