イタリアのドゥカティは、40年前に成功を収めながら生産を終了した伝説のモデル「スクランブラー」を現代に復活させ、2015年に発売すると発表した。
今回の発表は非常に特殊な形で行われた。6月9日、イタリア・ボローニャにあるドゥカティのファクトリーで、「スクランブラー」プロトタイプの内覧会が従業員向けに開催され、このモデルの正式な発表がなされた。内覧会の開催は、当日まで社員にも知らされていないサプライズだったという。
同社によれば、これは会社にとって従業員が何よりの宝であるという感謝の気持ちを表したものだという。内覧会では、「スクランブラー」のキャラクターに合わせ、ビーチやサーブボード、フードスタンドまで用意されていた。
バイクのカテゴリーとしてのスクランブラーは、シンプルで軽量な車体と、サイドに取り回したエキゾーストが特徴。1960年代頃にはさまざまなメーカーから発売され、非常に人気が高かった。当時、アメリカなどで不整地を利用したバイクレースが盛んに開催されており、このレース用のマシンを公道向けに発売したレプリカモデルがスクランブラーであり、名称の由来は、レースでいっせいにマシンが走り出すスタート方式が「スクランブル(緊急発進)」のようだったことからとされている。
ドゥカティの「スクランブラー」復活の噂は長年にわたって語られてきたが、ついに正式発表となった。その詳細は伏せられており、「伝統と最新のデザインを完璧に組み合わせながらも、2つのホイール、ワイドなハンドルバー、シンプルなエンジン、そしてなにより楽しい走り」とだけ発表されている。
通常、スクランブラーはシングルエンジンを搭載しており、40年前のドゥカティ「スクランブラー」も例外ではなかった。しかし現在のドゥカティはL型2気筒のみのラインアップとなっているため、新しい「スクランブラー」に搭載されるエンジンに注目が集まる。