エルニーニョ現象の発生が予想され、冷夏になる可能性も高い今年の夏。とはいえ、じめじめした日本の夏に欠かせないのがエアコンだ。6月に入り、家庭やオフィスでエアコンの冷房を使い始めたという人も多いのではないだろうか。
猛暑日には欠かせないエアコンだが、中には苦手という人もいるだろう。とりわけ、「足下が冷える」「頭痛になりやすい」「肌が乾燥する」といった意見は多い。また、エアコンを使い過ぎたり、設定温度が低過ぎたりすると、頭痛やだるさ、食欲不振、肩こりなどの症状が表れる、いわゆる"冷房病"になってしまうこともある。
これらのエアコンの悩みが、特に浮かび上がってくるのが複数人で部屋にいるときだ。一人でエアコンを使っているときであれば、ある程度、自分の快適な室温に調整できるが、複数人の場合、それぞれが快適に感じる室温が異なるため、結果的に家庭やオフィスで冷えを感じる人が出てきてしまう。もちろん、猛暑日であれば、室内での熱中症予防のためにもエアコンの使用は重要で、無理をしてエアコンを使わないというのは考えもの。部屋にいる人の体調管理を第一に、エアコンや扇風機などを使い分けて、室温を適切に調整していきたいところだ。
注目は"高付加価値"な扇風機
エアコンの使用に関して悩みを抱える人が多い中、見直されてきているのが扇風機だ。東日本大震災以降、節電意識の高まりにより、一時は品切れになるほど人気を集めている。中でも、最近人気なのが"高付加価値"な扇風機だ。高付加価値と言っても、余計な機能が満載という意味ではなく、省電力や静音、心地よい風などを追求しているのが、それらの扇風機の特長だ。
"高付加価値"扇風機ブームの火付け役とも言えるのが、2010年に初代が発売された、バルミューダの「GreenFan(グリーンファン)」シリーズだ。独自の二重構造の羽根が最大のポイントで、自然界と同じやさしく心地よい風を再現。さらに、DC(直流)モーター搭載により、消費電力が少なく、静音なのも特長で、大きな反響を呼んだ。
2014年5月に発売された最新モデルの「GreenFan Japan」は、初めてのフルモデルチェンジとなる製品で、その名のとおり"メイド・イン・ジャパン"の扇風機。アジアなどで生産される製品が多い中、高い品質を実現するために山形県米沢市で1台ずつ丁寧に作られているのが特筆すべき点と言える。
二重構造の羽根による、やさしく心地よい風は従来と同様で、さらに低消費電力技術を進化させ、AC(交流)モーターの扇風機の20分の1にあたる1.5Wの消費電力を実現。1日8時間稼動した場合でもひと夏の電気代はわずか24円(電気料金は1kWhあたり22円で計算)にとどまるという。また、最小運転時の動作音は13dBで、蝶2羽の羽ばたきと同レベルという静音性能も魅力的だ。
体表温度の変化をサーモグラフィで可視化
バルミューダでは、エアコンとGreenFan Japanをそれぞれ使用したときの体表温度の変化について、サーモグラフィで計測した試験結果を公表している。同試験では、エアコンを除湿運転、GreenFan Japanを最弱の"風量1"で、それぞれ30分間運転。計測開始時の室内温度は25℃前後、湿度は約55%という条件で、約12畳の室内で計測が実施された。
測定結果によると、エアコン使用時の体表温度は、30分経過後に頭部が0.2℃下がったのに対して、脚部は1.7℃も低下。身体の部位によって最大8.5倍の冷え方の差が生じたという。
一方、GreenFan Japan使用時の体表温度は、30分経過後に頭部が0.9℃、脚部が0.7℃低下しており、部位による冷え方の差が小さく、体全体の体表温度が同じように下がっていた。
エアコン使用時に、部位によって冷え方に違いが出た理由について、バルミューダでは、「冷たい空気は重く、床に溜まるため、室内に温度層が生じている」と指摘。それに対して、GreenFan Japanは、独自の大きく広がる風によって部屋の空気を循環させるため、「温度層を作らず、風を利用した気化熱により、体全体で涼しさを感じられる」と解説している。
また、GreenFan Japanでは、風が局所的に当たるのではなく、身体を包み込むような風になるのに対し、一般的な扇風機では、最弱運転でも強い風が局所的に当たり続ける。そのため、一般的な扇風機を使って測定したときの体表温度は、局所的に冷え過ぎ、部位間の差も大きくなる結果になったとしている。さらに同社では、GreenFan Japanを使用したユーザーに対し、アンケート調査を実施しており、97%のユーザーが「従来の扇風機と比較して、風が違うと感じた」と回答したとのことだ。
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本稿で紹介したバルミューダのGreenFan Japanは、自然界と同じやさしく心地よい風を再現し、省エネ、静音性能にも優れ、エアコンが苦手な人も利用しやすい製品となっている。もちろん、猛暑日にはエアコンも欠かせないが、GreenFan Japanと併用することで、エアコンの設定温度を上げても快適に過ごせ、なおかつ電気代も節約することが可能だ。また、蝶2羽の羽ばたきと同レベルという静音性能は就寝時にも最適で、寝苦しい夜でも心地よく眠りに就くことができるだろう。
ちなみにGreenFan Japanの本体価格は、35,000円(税抜)。一般的な扇風機と比べると少々値が張るが、二重構造羽根による心地よい風のほか、省エネ、静音という性能に加え、"メイド・イン・ジャパン"であることを考慮すれば、価格だけの価値はあると言えそうだ。
エアコンだけに頼ることなく、高付加価値な扇風機も活用しながら、この夏の暑さを乗り切ってみてはいかがだろうか。