なんとなく違いはわかっても、意外とよく知らないのが「認印」と「実印」の違い。もしかするとよくわからないまま、認印を実印として登録している人も多いかもしれません。実際にこの2つは何が違うのでしょうか? 認印と実印の違いをまとめてみました。

■認印とは、どういう印鑑のことを指すの?

認印とは、その印鑑を押す書類の内容や、事柄について「目を通しました」「認めました」ということをあらわすために押す印鑑のことです。認印は個人を証明するための印鑑ではなく、あくまで「目を通しました」「認めました」ということをあらわすものなので、大量生産で作られるような、印影の同じ印鑑がよく使われています。そのため印鑑と、印鑑を押した本人とを結びつける、個人を証明する力は実印よりも劣ります。会社で使っているのは、基本的にはこの認印です。

宅配便の受け取りや回覧板の閲覧時など、「見た」「受け取った」という意味で「ハンコ」を求められる時によく使われるのが、シャチハタを始めとしたインク内蔵の印鑑ですが、これも認印という扱いで使うのが望ましいでしょう。

■実印は、どんな印鑑のこと?

実印は、自治体によって、本人の印鑑であることを証明してもらえる印鑑です。自治体に印鑑登録を行うことで、本人の印鑑であることを証明する書類「印鑑登録証」を発行してもらえます。重要な契約の際には、実印を押すとともに印鑑証明書を添付すれば、実印で間違いないということを自治体によって証明してもらえます。

実印には印鑑の証明力を強めるために、印影を偽造するのが困難な手彫りの印鑑を使うのが理想です。また自治体によって、実印として登録できる印鑑には細かい規定が設けられていることがあります。逆に認印のような、大量生産品による印鑑でも実印登録ができてしまうところもあるようです。

実印は不動産の売買や法人登記など重要な契約の際に必要となる印鑑なので、なるべく偽造ができない印影のものを選び、さらに自治体による規定をクリアできるものを選びましょう。また悪用されないように、しっかり保管しておくことも大事です。

■銀行印とは、どういう印鑑のこと?

銀行印は、銀行に銀行印として届け出を行った印鑑のことです。実印と同様、偽造される恐れのない手彫りの印鑑を使うのが理想です。万が一トラブルになった時のことを考えても、実印と銀行印は悪用されないよう偽造が困難なものを用意し、大切に保管しておくことがおすすめ。実印、銀行印は別々に作る人も多いです。ぜひ用途ごとに合った印鑑を選んで、用意しておきましょう。

印鑑の違いを意識して選ぶだけで、より安心して暮らせるようになります。もし100円ショップの印鑑で実印登録しているなら、この機会にしっかりした印鑑を1本用意して、印鑑登録し直してみるのもいいかもしれませんね。