COMPUTEX TAIPEI 2014の会場では、DDR3の次の世代である「DDR4」のアンバッファドメモリモジュールを各社が展示していた。DDR4メモリは次期エンスージアスト向けCPUのHaswell-EおよびHaswell-E向けのチップセットなどでサポートされる予定だ。

ADATAは、スタンダードモデルとオーバークロックモデルのDDR4モジュールの2種類を出展。オーバークロックモデルの「XPG Z1」シリーズで動作デモを実施しており、山型の赤いヒートシンクが特徴的な同シリーズのモジュールを4枚挿し、Haswell-E/Intel X99チップセットと組み合わせたシステムでWindowsを起動させていた。CPUやマザーボードの情報はコチラの記事を参照いただきたい。

デモに使用していたメモリは、XPG Z1シリーズのうち8GB容量の「XPG Z1 DDR4 2800 8GX4」で、8GB×4枚の構成。筆者がデモを見ていた時には、2200MHzにクロックを落としたうえで2800MHzでの起動を試みている状況だった。なお、XMPの情報自体はDDR4-2400まで。XPG Z1シリーズのモジュールはXMPによるDDR4-2800までが現時点でリリース予定とされる。

赤い山型のヒートシンクが特徴のADATA製OCモデルのDDR4モジュール。ブースを訪れた際はまだDDR4-2200モードで動作していた

XMPプロファイルも現在鋭意開発中といったところか、UEFIでの設定は手動だった。製品版ではXMPのプロファイルからDDR4-2800が適用可能になる見込み

DDR4スタンダードモデルでは、DDR4-2133の8GBモジュールを出展。CASレイテンシは15、VDD&VDDQは1.2Vで、DDR3の1.5VやDDR3Lの1.35Vからもさらに引き下げている。スタンダードシリーズながら「Premier」という扱いで、過去のメモリ規格の移行時と同様、同じ動作クロック、同じ容量でもDDR3メモリと比べるとやや割高で登場する見込みだ。

ADATA製のスタンダードモデルのDDR4モジュール。ヒートシンクは無く、DDR4-2133のCL15。DDR4アンバッファドメモリは288ピンになるため、隣にある240ピンのDDR3アンバッファドメモリよりも端子が高密度

その他、COMPUTEXで見ることができた各社のDDR4メモリは以下の写真のとおり。

PanramのDDR4モジュールは黒と白、2種のヒートシンクを搭載。ADATA同様、自社でモジュール製造を行っており、他社向けモジュールも製造しているメーカーだ。撮影禁止だったがIntel X99と組み合わせた動作デモも行っていた

ApacerのDDR4モジュール。DDR3という表記は誤植で、動作電圧が1.2VとなっているのでDDR4で間違いない。左はナイフ、右はライフルをモチーフにしたユニークなヒートシンクが特徴

GeILのDRD4モジュール。ユニークなのは、DDR4-1600/1866/2133/2400/2666/3200と、ラインナップが下方向にも幅広い点。DDR4自体はDDR4-2133からスタートする見込みだが……。また、容量が4GB/8GB/16GB/それ以上とされるが、これは単体なのかキットなのかは不明。2014年第3四半期のリリースを予定

G.SkillのDDR4モジュール。DDR4-2133/2400/2666を出展しており、DDR4-2133/2400は4GBと8GB、DDR4-2666は4GBモジュールを確認できた。OCメモリで知られるG.Skillのこと、製品版ではヒートシンクが装着されるものと見られる

DDR3メモリはDDR3-3100あたりが限界!?

現行のDDR3モジュールは既に市販モデルでもDDR3-3100を到達してしまっているわけだが、そんな中、ADATAはDDR3-3400のデモを披露していた。ただし、同社によればDDR3-3100までなら多くのOC向けマザーボードで動作するものの、DDR3-3400になるとごく一部のマザーボードでしか動かなくなるとのことで、DDR3-3100を超えるモジュールについては市販化の予定が無いそうだ。

DDR3-3100モジュールまでは製品化済みのADATA。そのDDR3-3100モジュールでDDR3-3400までは動作可能とのことだが、動作するマザーボードはごく限られるとのこと

カラフルなヒートシンクのDDR3モジュールも多数展示していた。カスタムメイド対応とのことだが、自社ロゴからしてカラフルな同社だけにこうした方向性も面白い

最高クロックでは、G.SkillがDDR3-3500を動作デモしていた。1台はASUSTeKの「MAXIMUS VII GENE」上でモジュールの型番が「F3-3500C14-4GTXD」。もう1台はASRockの「Z97 OC Formula」上で、同じ型番のモジュールだ。CPU-ZによるXMPの情報はXMP-3200なので、それをオーバークロックした状態でのデモという位置づけだ。

G.SkillのDDR3-3500デモマシンのASRockマザー版。DDR3-3502のCL14で動作していた

もう1台のG.Skill DDR3-3500デモマシンで、こちらはASUSTeKマザー版。画面上のクロック表記が乱れていたが、およそDDR3-3501あたりでCL14