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「夏」は毛穴が目立ちやすくなる季節。そこで資生堂は、毛穴を目立たなくするお手入れ方法や、毛穴が目立つ原因について解説している。

きめが乱れていると、毛穴も目立ちやすい!?

解説するのは、毛穴研究の第一人者・資生堂化粧品基盤研究センター副主幹研究員の飯田年以(いいだとしい)さんと、美容法のスペシャリスト・資生堂化粧品開発センター副主任研究員の岩田多絵さん。

飯田さんは、毛穴が目立つ肌の特徴として「きめが乱れている」「毛穴がすり鉢状に開いている」「皮脂量が多い」ことを挙げている。

「美しい肌はきめが整っています。きめが整ってふっくら盛り上がっていると、肌に当たった光が乱反射されるので毛穴は目立ちません。きめが乱れた肌では光を正反射してしまうので、毛穴の数や大きさが同じでも目立ちやすくなります」(飯田さん)。

また、目立つ毛穴の形状を調べると、すり鉢状に開いた構造であることがわかった。このような毛穴の肌状態は新陳代謝が乱れ、健康な角層が形成できない角化異常の状態であることも明らかとなっているとのこと。

加えて、皮脂量が多いことも毛穴が目立つ原因であるという。特に皮脂成分の中でも、「不飽和脂肪酸」の比率が高いと、きめの乱れや角化異常を起こすなど、毛穴が目立つ肌状態を引き起こすことがわかっている。

「不飽和脂肪酸の代表的なものには、食用油としてもなじみがある『オレイン酸』があります。しかし、食用には好ましいオレイン酸でも、肌上にあると、毛穴が目立つ原因にもなります」(飯田さん)。

以上のことから、飯田さんは毛穴を目立たなくするためのお手入れとして、「過剰な皮脂(不飽和脂肪酸)を取り除くこと」「きちんと保湿をし、きめを整えて新陳代謝を促すこと」をポイントとして挙げている。

実は夏の肌は乾いている!? 洗顔と保湿がポイント

資生堂化粧品開発センター副主任研究員の岩田多絵さんは、飯田さんの解説に加え、毛穴が目立つ要因として「皮脂量が増えて毛穴が広がりやすい」ことも挙げた。「皮脂の分泌量が増えて毛穴が押し広げられる形になります。さらにテカることで、より毛穴が目立ちやすい状態に」(岩田さん)。

また、夏は汗や皮脂の分泌量が増えることで肌が「うるおっている」という錯覚に陥り、「お手入れ不足」になる場合も多いという。岩田さんは「汗でうるおいが流されてしまい、肌内部は乾いているという"かくれ乾燥"状態にあります。肌が乾燥しているときめが乱れ、毛穴も目立つ要因となります」と述べている。

毛穴を目立たなくするためのポイントとして、岩田さんはまず「皮脂を取りすぎず、過剰な皮脂を抑えること」を挙げた。「きちんと洗顔をして皮脂を抑えることが大切ですが、皮脂は乾燥から肌を守る役割があるので、取りすぎには注意です」と洗顔時のポイントを付け加えた。

汗や皮脂が気になる夏は、普段のお手入れに"収れん化粧水"をプラスすることもおすすめだという。「余分な皮脂を抑えて毛穴をひきしめます。乳液の後に、下から上へパッティングすると、肌がひんやりとして、化粧もちも変わります」(岩田さん)。

また、高温多湿な夏は乳液やクリームは敬遠しがちだが、夏は「かくれ乾燥」状態にあるため、乳液やクリームを適正な使用量でしっかり使う方がいいと言う。「クリームは冬のもの、と思わずに、乾燥が気になる場合は夏向けの心地よいクリームを選んでお手入れしましょう」と岩田さんはアドバイスしている。

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