予算1万円で海外現地スマホを買う方法 - モスクワ編

海外現地でスマホを買って活用してみよう。予算は1万円。今回はロシアの首都モスクワで約7000円のスマホを購入してみた。

英語が全く通じないモスクワ

日本からの渡航にはビザが必要であり、その取得も敷居の高いロシア。とはいえ歴史的な遺産や大自然、ロシア料理など魅力は多い。現地の通信環境もすでに各社がLTEを開始しているなどインフラ状況は先進国レベルのものが提供されている。今回はその首都モスクワを訪問した。

ロシア全土をカバーする通信事業者はMTS(ロシア語表記はMTC)、VimpelCom(ブランド名はBeeline)、MegaFonの3社で、各社の店舗はモスクワ市内の至る所にある。また大手携帯電話量販店も数社あり店舗も多い。スマホやSIMを買うのにお店を探すのに悩む必要はないと言える。

だが店舗で買い物する際に大きな障害がある。英語が全く通じないのだ。店員に「ハロー」と話しかけても、その返答がロシア語であることが一般的。またロシアのお店の店員は愛想が悪いという評判も聞くが、確かにアメリカのようなフレンドリーな対応をしてくれる店員は少ない印象を受けた。

ロシアの事業者や量販店店舗は壁一面にショーウィンドウを置き、そこにずらりとスマホを並べている。いずれも新品でこれが販売する商品そのもの。値札だけのものは売り切れなので、在庫の確認は不要。言葉が通じにくくても買物はしやすい。このほか、プリペイドSIMの販売されており、スマホ用にデータ定額や1GB、2GB付属のもの数千円で売られている。

店員を選べば購入もスムース

ロシアで売られているスマホは基本的にSIMフリー。そのため定価相当でSIMロックのかかったスマホよりも価格は高めだ。為替レートは2014年5月現在で1ロシアルーブル＝2.95円。予算1万円となると3389ルーブル以下の製品を探す必要があるが、ざっと見ると大手メーカーのスマホは4000ルーブルくらいのものが最安値といったところ。

だが各通信事業者が自社ブランドで販売しているスマホはメーカー品よりも大幅に価格が安い。これはSIMロックがかかっていることと、事業者が自ら仕入れることで安い価格で販売できるのだろう。2000ルーブル台＝6000円程度のスマホもあるなど、1万円スマホを買うなら事業者ブランドの製品がよさそうだ。

とはいえ前述したように英語が通じないという問題がある。ところがいくつかの店では、こちらがショーウィンドウを眺めているとロシア語で「何かお探しですか？」のようにフレンドリーに話しかけてくる店員がいた。あらかじめ自分のスマホに「日本人なのでロシア語ができません」というロシア語を翻訳アプリを使い表示しておき、それを見せると困ったような顔をしつつも、笑顔で「OK,OK」とか「スマートフォン？」のように話しかけてくれる店員もいた。

ということで不愛想で英語ができない店員ばかりと思いきや、一生懸命接客し、片言でもいいので外国人と応対しようと試みてくれる店員も中にはいるのだ。モスクワのお店に行ったら、このように話しかけてくれる店員がいたらそのまま捕まえて意思疎通を図るといいかもしれない。

今回はモスクワのショッピングエリアとして有名なアルバート通りのMTSの店を訪問したところ、場所柄外国人が多いせいか店に入ると店員がすぐにやってきてロシア語で話しかけてきた。こちらはショーウィンドウのMTSブランドのスマホを指さし、さらに「SIMカード、インターネット」と英語で話かけた。すると「OK」と言われレジに誘導され、あとはほぼ無口、しかし店員はてきぱきと少し笑顔で対応してくれた。

購入したスマホはMTS970。HVGA画面、200万画素カメラの入門モデルで2090ルーブル。プリペイドSIMは店員が片言の英語で「2ヶ月1GB」250ルーブル。合計2340ルーブル、約6900円と1万円で十分おつりの来る価格だった。クレジットカードでの支払いも可能だ。

購入後はスマホにSIMを入れ、そのまますぐにデータ通信が可能だ。初期の表示言語はロシア語だが、アイコンを頼りにメニューを開き英語に設定すれば問題なく使える。あとはGoogleアカウントにログインし、日本語入力アプリなどをインストールすれば日本語も利用できる。購入の敷居は高いものの、モスクワも安い価格でスマホとSIMを買うことができた。

■ モスクワ2014年のまとめ
スマホ MTS970 ： RUB2090(約6160円)
プリペイドSIM ： RUB250(約740円)
合計 ： RUB2340(約6900円)