アメリカ演劇界において最高の権威である「第68回トニー賞授賞式」が日本時間の6月9日、ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで行われ、WOWOWが生中継した。

「第68回トニー賞授賞式」
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1947年からアメリカでスタートした同授賞式は、ブロードウェイで上演された演劇とミュージカルの中から、それぞれ作品賞、主演男優賞、主演女優賞など合計26部門を選出。今年は自身4度目となるヒュー・ジャックマンが司会を務め、彼のダンスパフォーマンスで同授賞式の幕が開けた。ステージでは『ア・ジェントルマン・ガイド・ラブ・アンド・マーダー』(以下『ジェントルマンズ・ガイド』)や『ロッキー』などの一部が公演されたほか、スティングなどがライブパフォーマンスを披露。また、各部門のプレゼンターにはクリント・イーストウッドのほか、サミュエル・L・ジャクソン、イーサン・ホーク、ケネス・ブラナー、ケビン・ベーコンら超豪華なハリウッドスターが登場して授賞式に花を添えた。

授賞式は、トニー賞の花形でもあるミュージカル部門の主演男優賞に昨年の同授賞式で司会を務めた『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のニール・パトリック・ハリスが受賞。「1年前は司会を務めていたんですが、こういう思いを体験できて本当にうれしいです。演じていた時はとても怖かったんですけど、すっかり変わりました。疲れましたが、すごく楽しかったです。みんなに感謝したいですね」と感謝の言葉。主演女優賞には『ビューティフル-キャロル・キング・ミュージカル』のジェシー・ミューラーが選ばれ、会場にいたキャロル・キングに「貴女と一緒に歌う日が来るとは思いませんでした。本当に素晴らしい女性で色んなことを教えていただきました」を賞賛した。トニー賞のクライマックスを飾るミュージカル部門の作品賞には『ジェントルマンズ・ガイド』。同作品は、今年のトニー賞で最多9部門10ノミネートされていた。

左から、八嶋智人、宮本亜門、神田沙也加、井上芳雄

同番組で案内役を務めた脚本家の宮本亜門は、実際にブロードウェイで見たという『ジェントルマンズ・ガイド』について「本当に良くできていたので、日本で上映していただきたいですね」と日本公演を切望しながら「本当に名作揃いでした。やっぱりブロードウェイは世界に喜びや新しい生き方を伝えていくというメッセージがひしひしと伝わってきました。僕らも負けないように頑張りましょう!」と総括。また、ゲストとして出演した神田沙也加は「日本はトニー賞があまり知られていませんが、選び抜かれた作品やキャストのパフォーマンスの良いとこどりが見られるので、もっと広まって欲しいと思います。最初から最後までかじりついて見ることがなかったので、とても楽しかったです」と満足げだった。なお、WOWOWライブにて字幕版を6月14日(20:00~)に放送する。

各部門の受賞者&受賞作品

●ミュージカル部門

作品賞『ア・ジェントルマンズ・ガイド・トゥ・ラブ・アンド・マーダー』

主演男優賞 ニール・パトリック・ハリス『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』

主演女優賞 ジェシー・ミューラー『ビューティフル-キャロル・キング・ミュージカル』

助演男優賞 ジェームズ・モンロー・アイグルハート『アラジン』

助演女優賞 リナ・ホール『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』

演出賞 ダルコ・トレズニヤック『ア・ジェントルマンズ・ガイド・トゥ・ラブ・アンド・マーダー』

リバイバル作品賞『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』

●演劇部門

作品賞 『オール・ザ・ウェイ』

主演男優賞 ブライアン・クランストン『オール・ザ・ウェイ』

主演女優賞 オードラ・マクドナルド『レディ・デイ』

助演男優賞 マーク・ライランス『十二夜』

助演女優賞 ソフィ・オコネド『レーズン・イン・ザ・サン』

演出賞 ケニー・リオン『レーズン・イン・ザ・サン』

リバイバル作品賞 『レーズン・イン・ザ・サン』