「アルコール除菌 ラボ@キッチン&食卓」はこのほど、3月に衛生微生物研究センターと共同で実施した「台ふきんと食卓の雑菌汚染に関する実験」の結果を明らかにした。
アルコール除菌 ラボ@キッチン&食卓は、一般家庭のキッチンや食卓における衛生意識を高め、清潔なキッチンのためのアルコール除菌の実践方法を伝えていくことを目的に設立された研究所。このほど、梅雨・夏時のキッチンを想定した高温多湿の環境で台ふきんを干すと、台ふきんの雑菌数がどのように変化するのかを調査した。
まず、清潔な台ふきんで、食事後を想定した食べカスなどが付着している食卓を水拭きした。その後、水道水でもみ洗いし、水を絞った台ふきんの雑菌数を調べたところ、180個の雑菌が残留していることが判明した。
続いて、水を絞った台ふきんを、梅雨時を想定した気温25℃、相対湿度75%の高温多湿な環境で乾燥させた。すると、180個だった雑菌は6時間後には61倍(1万1,000個)に増殖。8時間後に333倍(6万個)、12時間後に722倍(13万個)に増え、干してから半日たっても増殖を続けていることがわかった。
実験により、食卓を拭いた台ふきんを水洗いしても完全に雑菌や汚れを落とすことができないことが明らかとなった。特に多くの家庭で行われているシンク脇での室内干しでは、台ふきんの雑菌数が時間がたつほど増加。台ふきんの洗い方やキッチンの環境・干し方によっては、台ふきんを介し、食卓や調理台などに雑菌を広げている可能性がある。
同研究所では、雑菌を広げるのを避けるためにも、使用後の台ふきんは漂白、天日干しをすることを提案している。漂白するのは手間がかかると感じる場合は、台ふきんを乾かした後、アルコール除菌剤をスプレーして除菌するのも有効だという。