長崎県には、なんと約2kgも重量があるシュークリームがあるという。その名も「軍艦シュークリーム」。シュークリームよ、私は問いたい。なぜ君はそんなにでかくなったんだ?
スパイシーな欧風カレーが看板のお店
そのシュークリームと対面できるのは、佐世保市内にあるレストラン「蜂の家」。昭和26年(1951)の創業以来、スパイスの効いた欧風カレーを中心に人気を博している店だ。
同店でシュークリームがメニューに加わったのは昭和28年(1953)頃のこと。まだまだ甘いものの少なかった時代に、バナナや焼きリンゴをいれたシュークリームにスカッチソース(砂糖、練乳で作る甘いソース)をかけていただくというおしゃれなスタイルで、たちまち町で話題になったという。
しかしもちろん、当時からビッグサイズのものが存在していたわけではない。50年代の長崎では、スカッチソースでおめかししてもらったシュークリームたちは、通常サイズのデザート皿の上でおすまししていたに違いないのだ。
誕生日にビックなプレゼントを!
実は、シュークリームが巨大化したのは、あるお客さまの希望を叶えようとしたことがきっかけだった。この店のシュークリームが大好きな母親のために、シュークリームで作った誕生日ケーキをプレゼントしたいと考えた女性が、店に直接お願いにしきたのだ。その結果誕生したのが、軍艦シュークリーム。なんと通常サイズの10倍にあたる大きさだ。
「最初のうちは皮がうまく膨らまなかったり、中が空洞にならなかったりと失敗の連続でした。大きく作るというのは技術が必要ですね」。当時を振り返ってそう答えてくれたのは、同社の田渕盛太郎さん。田渕さんによると、現在ではこのシュークリーム、1日に2、3個程度売れているという。
もちろん、これとは別に通常サイズのシュークリームの用意もあるが、特に大勢で来店する客は、こちらをチョイスしてみんなでシェアして食べることを楽しんでいるのだとか。「持ち帰りももちろんできますよ。翌日までに召し上がってくださいね」。というのも、なんと中に7種類の果物が入っているそうで、フレッシュな状態で楽しんでほしいのだそうだ。
また、オンラインショップでも購入できるものでぜひ試してみてほしいのが、1食分432円というリーゾナブルな「長崎カリー」。ビーフ、チキン、野菜、ハヤシなどバラエティー豊かにそろっているので、カレー好きな人はお試しあれ。
※記事中の情報・価格は2014年5月取材時のもの