菓子パンに惣菜パン。種類豊富なことが日本のパンの特徴だが……

元来お米が主食の日本。しかし、戦後の学校給食に取り入れられたことをはじめ、日本人の食生活にとってもいまやパンはとても一般的な食べ物だ。最近では、フランスからもブランジュリー(パン屋)が日本に続々進出するなど、本場のパンを楽しめるようになっている。そこで今回は、「パンのない暮らしはあり得ない」というフランス人たちが日本のパンにどのような印象を抱いているのか、日本通のフランス人に聞いてみた。

パンにシンプルさを求めるフランス人

パンに対するこだわりは日本人以上であるフランス人。そんな彼らにとって、「日本のパンはあまりおいしくない」というのが総評のよう。というのも、フランス人にとってパンというのは、日本人にとっての米飯に代わるもの。日本では"フランスパン"と呼ばれるバゲットなど、そもそもパンはシンプルな食べ物。日本人がふりかけやお茶漬けにしてご飯を食べるように、シンプルな素材にバターやジャムを塗ったり、ハムやチーズを挟んで食べるというのが一般的な感覚なのだ。

「そもそもパンはプレーンなものが好きなので、パンに何かを入れたものはほぼ食べない。コンビニやチェーン店のパン屋のパンは味がないので苦手」とまで言い切る人も。確かに、日本で売られているバゲットなどは、本場のフランスのものと比べると日本人の味覚でも全く別物であることは分かる。むしろ、日本のパンは菓子パンや惣菜パンなどバラエティーに富んだ、独自の文化を持つと考えた方が良いだろう。

「パンに麺というのに違和感」

菓子パンや惣菜系のパンは個人の好みで意見が分かれるものの、評価が高かったのは"チョコクロワッサン"。中でも、「サンマルクカフェの『チョコクロ』。あれは世界で最高においしいと思う」とフランス人も大絶賛の商品は、一度賞味してみる価値があるだろう。

反対に、酷評されてしまったのが"焼きそばパン"。「パンに麺というのに違和感を感じる!」、「焼きそばパンは特に嫌い。予想もできない内容」など随分な言われよう。日本では比較的受け入れられている"炭水化物×炭水化物"という組み合わせも、あり得ない感覚のようだ。

「メロンもパンも大好きですが……」

また、賛否の分かれたのが"メロンパン"だ。かたや「メロンパンが一番。日本ならではパンだけど、フランスで売っているシュガータルトに味が近いと感じる」と絶賛する人がいながら、「メロンもパンも大好きですが、なぜかメロンパンは嫌い。パンの上にある砂糖が嫌いで、どうしても好きになれない」と苦手に感じる人も。だが、メロンパンは形をメロンに似せているだけで、味も食感も決してメロンを再現したパンではないため、誤解のないよう外国人に伝えるべきかもしれない。

その他、あんパンやクリームパンなどの菓子系、カレーパンやソーセージパンなどの惣菜系も好き嫌いが分かれた。種類にもよるが、「まずいとは言えないけどおいしいと思えない」、「おいしいけど栄養は少ないと思うので食事にはならない」、「脂っこい」というコメントもあった。やはり彼らにとっては、パン自体の食感や味わいの良さが大切なようである。

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