セールス・オンデマンドは6月4日、米ロモティブ社のエデュケーショナルロボット「Romo(ロモ)」の日本発売に関して、東京都内で発表会を開催。ロモティブ社のケラー・リナウドCEOを招いて、製品のコンセプトや狙いについて説明を行った。
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iPhoneで動くロボット「Romo」 - 楽しく遊びながらプログラミングを学べる(2014年6月4日)
Romoは、iPhoneやiPod touchを装着することで使用できるロボット。iTunes Storeからダウンロードできる専用アプリを使って、さまざまな動作をさせられるほか、プログラミングにより機能を拡張できるようになっている。
日本のプログラミング教育は発展途上
初めに、セールス・オンデマンドの室﨑肇社長が登壇。アイロボットのロボット掃除機「ルンバ」シリーズの日本総代理店を務める同社の実績に触れつつ、「ルンバを代表に、既にロボットは日常生活に溶け込んでいる」と、ロボットが身近な存在になりつつあることを説明した。
一方で室﨑氏は、ロボットに不可欠なプログラミング教育が米国や英国と比べて遅れている現状を指摘。「日本のプログラミング教育は発展途上だ」と、プログラミング教育の強化が必要であることを強調した。今回発表したRomoは、行き届いていない教育の隙間を埋める製品であるとし、「遊び感覚で触れながら子どものプログラミング技術や創造力を育むものだ」と意義を述べた。
子どもたちにロボット工学を教えるのは難しい
室﨑氏に続いて、リナウド氏が登壇した。リナウド氏は「ロボットはSFと現実が交わる点だ」と、先端技術の具現化としてロボットがいかに意義があるものかを説明。一方で、単なる先端技術の塊ではなく、介護など実用的な分野で今後ますますロボットの重要性が増すことを強調し、さらなる普及の必要性を説いた。
その上で、「大きなシステムを利用するのではなく、小さなものにはならないか?」「スマートフォンを活用することで、通常のロボットの0.1%のコストで開発できたら?」と、Romoの導入の手軽さを説明。「モバイルインタフェースを活用できたら、どんなにすばらしいか」と、iPhoneやiPodという既存のデバイスを使って動作させられるRomoの意義を強調した。
さらに、リナウド氏は「ロボット工学やコンピュータサイエンスは抽象的で、子どもたちにを教えるのは難しい」と説明。「Romoを使うことで、Romoに顔を覚えてもらうにはどうしたらいいか、Romoが転んでも起き上がれるようにしたらどうしたらいいか」と、Romoを使うことで具体的なアクションに結びつけてプログラミングを学べる点をメリットに挙げた。
リナウド氏は、さらなるロボットの発展が必要であることを説明。「短期的な効果ばかりが評価され、長期的な効果は過小評価されがちなのが一般的な事例で、これはロボットにも当てはまる」とした上で、「ロボットがどれだけ生活を変えられるかに注目してほしい」と、ロボットが切り拓く未来について述べた。