PowerColor(TUL)は今年も一般来場者向けのブースは出していないのだが、プライベートルームを用意しており、関係者向けにグラフィックスカードの新製品を紹介していた。注目すべきは何と言っても、Radeon R9 290Xをデュアル搭載するという限定モデル「Devil 13 Dual Core R9 290X」である。

PowerColorのプライベートルーム。「Devil 13」と書かれているぞ…

これがその「Devil 13 Dual Core R9 290X」。ずっしりと重い

PowerColorの"Devil 13"というと、聞き覚えがある人もいるだろう。初代のDevil 13はRadeon HD 7970をデュアル搭載したもので、2年前のCOMPUTEXで公開された。ニューバージョンのDevil 13は、GPUに最新世代のRadeon R9 290Xを搭載したものになる。

デュアルGPUとしては、AMDからすでにR9 295X2が発表されているが、これとの大きな違いは冷却システム。R9 295X2のリファレンスカードには、水冷/空冷のハイブリッドクーラーが搭載されていたが、新型Devil 13のクーラーは完全空冷。3スロット厚の大型クーラーになってしまうものの、水冷に抵抗感がある人には嬉しいかもしれない。

カードは3スロット厚。出力端子はDVI×2、HDMI、DisplayPortの4つだ

コアクロックは1,000MHz、メモリクロックは1,350MHz。カードにはターボボタンが用意されており、押されたときはコアクロックが向上し、ファン回転数が上がるという。ただし、消費電力はかなり大きいようで、補助電源コネクタは8ピン×4個という、ほとんど見かけない仕様になっている。

カードの左上にあるのがターボボタン。ファンの回転数も変わる

ずらりと並ぶ補助電源コネクタ。消費電力の大きさを物語っている

クーラーはかなり強力だ。まずヒートパイプは、8mm径の太いタイプを10本搭載。また3連の9cmファンが搭載されているが、大小2つのファンが合体したようなユニークなブレード形状のファンを採用しており、エアフローが向上したという。

ユニークなブレードのファン。社内では手裏剣とも呼ばれていたそうだ

エアフローが20%向上。まっすぐに、遠くまで届くようになるという

カードの裏側には、ダイキャスト製造のバックプレートが装着

バックプレートには、なぜかAMDのRoy Taylor氏のサイン入り

パッケージは今回も豪華仕様。付属品としてRazer製のゲーミングマウス「Ouroboros」も同梱される。なお、この製品は世界で1,000個限定の特別モデルとなっており、価格は1,500ドル程度になる見込みとのことだ。

パッケージは今回もこれ。カード本体が重いので、つっかえ棒も付属する

Razerの「Ouroboros」が付属。1万円以上する高級ゲーミングマウスだ