米AMDは4日(現地時間)、組み込み向けプロセッサ「G」シリーズの新モデルとして、「Steppe Eagle」と「Crowned Eagle」(いずれも開発コード名)を発表した。従来モデルから電力当たりの性能を改善したほか、セキュリティ機能を提供するためのコアを内蔵する。

AMDの組み込み向けプロセッサのロードマップ

「Steppe Eagle」と「Crowned Eagle」は、いずれも従来の「G」シリーズを置き換える製品ではなく、SKUの追加という位置付けになる製品。ピンコンパチブルで、従来製品を利用していた環境にそのまま投入することができる。「Steppe Eagle」はGPUを統合し、「Crowned Eagle」はGPUは非搭載となっている。

従来モデルと同様にCPUコアに「Jaguar」アーキテクチャベースのものを採用するが、消費電力を削減したほか動作クロックを引き上げた改良版となっている。また「Steppe Eagle」には、GCN(Graphics Core Next)アーキテクチャベースのGPUを統合する。TDPは6~25W。「Configurable TDP」に対応し、動作周波数を変更することもできる。

AMDによると、従来の「G」シリーズと比較して、CPU自体のパフォーマンスは60%以上、電力当たりの性能は96%の向上を実現したという。

従来モデルからパフォーマンスが向上

「Steppe Eagle」は主にシンクライアントやキオスク端末といった領域をターゲットとする一方で、「Crowned Eagle」はネットワーク機器などでの利用を想定している。

「Steppe Eagle」と「Crowned Eagle」で狙う領域

どちらの製品でもセキュリティ技術「TrustZone」に対応し、セキュリティ関連の処理を行う専用プロセッサを内蔵する。

Crowned Eagleのユーセージの例