IPA(独立行政法人情報処理推進機構)技術本部セキュリティセンターは、増加傾向にあるスマートフォンのワンクリック請求について、ユーザーに注意を喚起した。ワンクリック請求に関する相談件数のうち、約3割がスマートフォンに関するワンクリック請求の相談だったという。

ワンクリック請求とは、ウェブサイトに登録して契約が成立したと思わせて、ユーザーを慌てさせサイト使用料の名目で金銭を支払わせる、不当料金請求の手口のひとつ。2014年4月から5月にかけてIPAには593件のワンクリック請求の相談が寄せられた。そのうち約3割を占める162件がスマートフォンに関するワンクリック請求の相談だったという。

IPAに寄せられたワンクリック請求についての相談件数

スマートフォンでのワンクリック請求は、パソコンのワンクリック請求とは違い「アダルトサイトの登録画面が繰り返し表示されて消えない」ように見えても、実際にはそのようなことはなく、この時点では深刻な被害はない。しかし、表示された登録画面などに動揺したユーザーがワンクリック請求業者にメールや電話で連絡をとってしまい、個人情報を相手業者に知られたと思い、不安に感じるという相談がIPAに多く寄せられたという。

スマートフォンでのワンクリック請求は、他にも「重要 お客様登録ID」のように、まるでスマートフォン内の情報を取得したかのようなメッセージが表示されることもあり、ユーザーの不安を煽る手口となっている。OSの情報や使用ブラウザ、IPアドレスは、スマートフォンに限らずどんな端末からでも、ウェブサイトにアクセスすると、ウェブサイト運営者にわかる仕組みになっている。しかし、これらの情報からワンクリック請求業者が個人情報や、その他情報を特定することはできない。

スマートフォンを狙ったワンクリック請求のイメージ

そのためIPAは、こうした手口を「単なる脅し」とし、自らワンクリック請求業者に連絡をしたり、金銭を振り込むことのないよう注意を呼びかけている。

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