次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)は6月2日、4K試験放送「Channel 4K(ちゃんねるよんけい)」のサービスを開始。東京都内で記念セレモニーを開催した。

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Channel 4Kは、表示画素数3,840×2,160ドット、4K/60Pで放送される試験放送。毎日13時から19時の1日6時間放送が予定されており、スポーツや音楽など幅広いジャンルの放送がラインナップされる。

初めに、NexTV-F名誉会長を務めるトヨタ自動車相談役の渡辺捷昭氏が登壇。「NexTV-Fは4K放送、8K放送をどのように(展開)していくのかを考え、昨年、オールジャパン体制で発足した」と、フォーラムの出自を説明し、「フォーラムの参加者や関係者の協力で、今日の試験放送開始までこぎつけた」とコメント。

その上で渡辺氏は、「2020年の東京オリンピックを全ての人が4K、8Kの放送で見られるよう、環境を整備したい」と、フォーラムの役割を説明し、理解を求めるとともに、「4K、8Kは、医療などの幅広い分野で付加価値を生む波及効果の高いものだ」と語り、高精細表示を生かして放送以外に広く活用が期待される4K、8Kの技術の意義を強調した。

「4Kは幅広い分野に波及する」と語るNexTV-F名誉会長の渡辺捷昭氏

続いて、総務副大臣の上川陽子氏が登壇。「総務省では、2014年に4K、2016年に8Kの試験放送を開始するロードマップを作り、予算面の後押しをする」と、官民一体の"オールジャパン体制"で4K化、8K化を強力に推進していく姿勢を説明。渡辺氏同様に、「2020年の東京オリンピックでは、多くの人に4K、8Kの臨場感ある映像を楽しんでほしい」とコメントし、「東京オリンピックは、日本の技術力をアピールする機会になる」と、世界で一足早く4K放送を開始した日本の技術の優位性が2020年に花開くことに期待を寄せた。

3人目として、NexTV-F理事長の須藤修氏が登壇し、「1年前にフォーラムが発足して、今日の放送開始にこぎつけた」と感慨深い思いを表現。「4Kがさまざまな産業に波及し、より良い社会が実現してほしい」とコメントした。なお、須藤氏によれば、注目度の高い2014 FIFA ワールドカップ ブラジル大会に関しては、1次リーグの日本対コートジボワール戦、決勝トーナメント1回戦のC組1位対D組2位の試合を含め、全4試合を放送予定とのことだ(調整中のため、変更の可能性あり)。

【左】総務副大臣の上川陽子氏 【右】NexTV-F理事長の須藤修氏

【左】2014 FIFA ワールドカップ ブラジル大会の放送予定 【右】カウントダウン用のボタンを手にする関係者。左から須藤修氏、上川陽子氏、谷村新司さん、渡辺捷昭氏

13時の放送開始が近づき、ゲストとして歌手・谷村新司さんが壇上に登場。カウントダウンが行われた。

13時になり、放送が開始。最初に、4K放送のコンセプトを説明する映像が流された

カウントダウン後、谷村さんは司会の小川彩佳テレビ朝日アナウンサーとトークセッションを行った。2013年に行われた「アリス コンサート ツアー 2013 ~It's a time~」が4Kで撮影されたことに触れ、「演奏している側としては、4Kで撮られようがどうしようが、撮られている時点では分からない」と前置きしつつも、「撮られた映像を楽屋のモニターで見たら、驚くほどきれいだった」とコメント。映像表現が向上する一方で、谷村さんは「撮られる側も、特に女性は今後はより気を配らなくてはいけないから大変」と、小川アナウンサーに同意を求め、会場の笑いを誘った。

【左】テレビ朝日の小川彩佳アナウンサーと谷村さんのトークセッション 【右】4Kで撮影された2013年のコンサート

会場には、各メーカーがリリースしている4K対応製品が展示されていた