5月31日は「世界禁煙デー」。厚生労働省は同日、東京ミッドタウン(東京都・六本木)で「世界禁煙デー記念イベント」を開催した。
主催者を代表してあいさつに立った赤石清美 厚生労働大臣政務官は、「毎年この日は、たばこを吸わないことが習慣として社会に広がるよう、WHO加盟各国でさまざまな活動が実施されております。厚生労働省としても世界禁煙デーから始まる一週間(5月31日~6月6日)を『禁煙週間』と定め、たばこと健康の問題について国民一人ひとりが正確な情報に基づき認識を深めていただくきっかけとなるよう普及啓発活動を行っております」と述べた。今年のテーマは「オールジャパンで、たばこの煙のない社会を」。
続いて「いきいき健康大使」を務める元女子マラソン選手五輪メダリストの有森裕子さんがビデオメッセージで登場。「日本の疾病による死亡者数をリスク要因ごとにまとめた統計によると、高血圧や運動不足を抜いて喫煙が一番の原因になっています。喫煙や受動喫煙の防止を広めていく今日のような取り組みは、日本の健康寿命を延ばしていくのに大きな役割を果たしていくと思っています」と話した。
さらにイベントでは、今年度の「禁煙大使」に任命された、フィギュアスケーターの安藤美姫さんが登壇。任命式として赤石 厚生労働大臣政務官から任命証とたすきを手渡された。安藤さんは、禁煙大使になったことを機会に知ったことや、母親としての立場で考えたことなどを話した。
「たぶん単純にたばこの煙が体によくないことはみなさん知っておられるかと思うんですが、有害物質が含まれているのは喫煙されている方が吸う"主流煙"よりもそこから出ていく"副流煙"です。喫煙されている方よりも禁煙されててその隣にいる方のほうが害を受けているっていうのも、よくないことだなと思います」(安藤さん)
「たばこの煙によって今まで健康だったお子さんに突然死症候群というものが増えてしまうっていうことにすごくびっくりしました。子どもの場合は抵抗力が大人よりも低いので、他にも喘息だったり肺炎だったり気管支炎だったり中耳炎にもつながったり、事故や病気にかかる子どものことを考えると、やはりご両親も喫煙されている方も気をつけてほしい。急にやめるのは難しいと思うので、心がけるように、少しずつ禁煙はしていってほしいなと思いました」(安藤さん)