iOSに標準装備のWEBブラウザ『Safari』は、HTMLを解釈し描画するレンダリングエンジン以外にも、さまざまな改良を施すことでスピードアップを図っている。いちど取得した画像やテキストをディスクに一時保管し次回以降の表示に生かしたり(ページキャッシュ)、WEBページ上にあるリンクをたどるときに必要な名前解決を事前処理したり(DNSプリフェッチ)、といった積み重ねがSafariの高速性を支えているともいえる。
ユーザの一歩先を行くような処理も行われている。スマート検索フィールドに語句を入力すると、「Google検索」や「ブックマークと履歴」を対象に検索の下処理を行い、ユーザが目的としている可能性が高い情報を先読みして表示してくれるのだ。入力した語句がアクセス頻度の高いWEBサイトと部分一致した場合は、「トップヒット」に表示し、そのサイトのデータを先読みしてくれる。
しかし、この「トップヒット」はユーザによっては必要ないかもしれない。先読み処理にCPUパワーが割かれるため、ページを表示(レンダリング)する速度にも影響する。アクセスしなければ先読みしたデータもムダになってしまうのだ。
WEBサイトにはブックマークやリーディングリストからアクセスする、検索はするけれどトップヒットをタップした記憶がないという場合は、「トップヒット」を無効化することもひとつの方法だ。スマート検索フィールド使用時のレスポンス向上に効果があるほか、トップヒットに表示されたサイトを先読みしなくなるため、バッテリー消費やデータ通信量の節約にもなる。Safariをもっとサクサク使いたいときには、試す価値があるだろう。
操作手順をカンタン解説
1 デフォルトの設定では「トップヒット」に表示されたWEBサイトのデータを先読みするため、iPhoneに負荷が生じる。アクセスしなければ、それもムダになってしまう |
2 トップヒットの事前読み込みを停止するため、『設定』→「Safari」の順に画面を開く |
(提供:iPad iPhone Wire) |