防虫剤「ミセスロイド」などで知られる日用品メーカーの白元(東京都・台東区)は29日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、受理されたと発表した。負債総額は約255億円。

同社は同日付で弁済禁止の保全処分と監督命令を受けた。監督委員には腰塚和男弁護士が選任されている。

帝国データバンクによると、白元は1923年1月にナフタリン防臭剤の製造販売を目的に個人創業、1950年1月に法人改組された防虫剤や防臭剤などの製造業者。防虫剤「ミセスロイド」「パラゾール」、使い捨てカイロ「ホッカイロ」、保冷枕「アイスノン」などロングセラー商品が多く、トイレタリー業界においてトップ企業の地位を構築していた。

近年は衛生用品や入浴事業にも参入するなど取扱製品を拡大し、2010年3月期には年売上高約332億3,700万円を計上。しかし、主力のカイロ部門の売り上げが伸び悩むなか、他社の新規参入の影響もあり保冷剤部門の売り上げが大幅に減少し、2013年3月期は年売上高約304億8,600万円に落ち込んでいたという。

同社は経営を改善するため、2013年5月には新製品開発に向けた関係強化を目的に、住友化学に対して第三者割当増資を実施したほか、収益性が低く、資金負担が重いカイロ事業を2014年1月に興和へ売却。今後に向けた協議を金融機関と進めていたが、成果が出ず、今回の措置に至った。