高性能なデータベース統合を実現するUNIXサーバ「SPARC M10」
ビッグデータ活用の必要性が説かれて久しい。ビジネスにスピードと柔軟性が要求される現在、意思決定の精度向上や、新規事業を創造するために必要なのは、データベースや基幹系システムといったビジネスデータとビッグデータを融合し、リアルタイムで分析/活用できるICT基盤である。
つまり、基幹系サーバには、膨大なデータを高速処理する性能だけでなく、柔軟で効率的に資源増強できる環境が求められるのだ。もちろん、既存のデータベースも活用できなければならない。
こうした条件をすべて満たしているのが、UNIXサーバの「SPARC M10」である。
SPARC M10はプロセッサにマルチコア・マルチスレッドの「SPARC64 X」「SPARC64 X+」を採用。インメモリによるデータベースの高速リアルタイム処理を実現し、メモリは1CPU当たり最大1TBまで、システムでは最大64TBまでサポートしている。プロセッサにI/Oインタフェースを内蔵した「System on Chip」や、従来はソフトウェア上で行われていた処理をプロセッサ上に組み込む「Software on Chip」などの機能拡張で、前世代のSPARC64 VII+よりもSPARC64 Xは7.5倍、SPARC64 X+は9.5倍の性能向上を実現している。
Oracle Database 9iから12cまでを1台で運用
SPARC M10は異なるバージョンのデータベースを統合できる。具体的には、Oracle Databaseの旧バージョン(9i/10g/11g)から最新バージョンである12cまで、すべて1台のサーバで運用可能。さらにSolaris8以後の稼動資産も最新サーバに統合できる。
また、リソース管理ソフトウェア(ServerView Resource Orchestrator)との連携で、PCサーバ/ストレージも含めたシステム全体の統合管理が可能。サーバの起動/停止/リブートをはじめ、サーバの状態監視/表示も統一されたGUIで管理することが可能となっている。
実際、データベースのレスポンス改善や、統合/運用管理で悩みを抱えている企業は多い。特に、従来の大規模データベース環境は、データを複数のデータベースに分割して管理しているケースがほとんどだ。しかし、これではノードをまたぐデータのやり取りでボトルネックが発生し、レスポンスの高速化や効率的なCPU利用を実現することは難しい。
専門スタッフによる性能最適化サービスも
高速データベースが持つ性能を最大限に発揮するためには、データベースを熟知した専門スタッフによるチューニングが欠かせない。そうしたニーズに応えるサービスが「SPARC M10 高速データベースオファリング」である。
SPARCについて説明した富士通 プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部の高橋裕氏 |
同サービスは、サーバにSPARC M10、ストレージにETERNUS series、データベースにOracle Database(+Oracle Real Application Clusters)を組み合わせ、最適化された高速データベースシステムオファリングとして提供するものだ。
富士通プラットフォーム技術本部プロダクトソリューション技術統括部の高橋裕氏は、「同じコア数のUNIXサーバと比較しても、SPARC M10を"核"とした高速データベースオファリングは、その性能向上には自信がある。例えば、『HP Superdome 2』から移行されたお客様は、バッチ処理時間が10分の1に短縮した」とその効果を強調する。
また、業務量の増加に応じてCPUコアをアクティベーションする「CPUコア アクティベーション」に対応している。サーバの使用開始当初は、最小限のコアでソフトライセンスを削減し、必要になった時に簡単なライセンス追加でシステムを増強することで、初期投資を抑制することが可能。業務拡張や異常時にも柔軟に対応できるのも、大きなメリットといえるだろう。
購入前にパフォーマンス検証を希望する場合には、同社検証施設である「富士通トラステッド・クラウド・スクエア」で行われる。同施設には高速データベースシステムオファリングの構築済み検証環境が用意されているという。
なお、展示会場内のセミナースペースでは、SPARC M10を解説するセミナーも開催していた。しかし、参加受付開始後まもなく定員に達してしまい、当日参加できなかった技術者も多かったようだ。富士通では、そうした来場者に対して、『富士通だからできる、一歩先のデータベースクラウド環境』と題するセミナーを6月13日に開催予定だ。詳細は富士通の案内ページをご覧になってほしい。