ナスペックは5月29日、英Cambridge Audioが展開するフラッグシップシリーズ「Azur 851」のプリアンプ「Azur 851E」、パワーアンプ「Azur 851W」、DAコンバーター「Azur 851D」を、6月1日より日本国内で販売すると発表した。価格はオープンとなっている。推定市場価格は、Azur 851Eが200,000円前後、Azur 851Wが280,000円前後、Azur 851Dが160,000円前後だ(いずれも税別)。

Azur 851Eは、ローディストーション(低歪)サウンドが追求されたプリアンプ。入出力ともに干渉を防ぐ設計が採用されており、THDは0.00045%以下(1kHz)を実現している。

「Azur 851E」

入力インタフェースは、3系統のバランス入力(XLR)と7系統のアンバランス入力(RCA)を装備。ソースごとのボリュームレベル固定機能やサブウーファー出力を装備しており、マルチチャンネルシステムにも利用できる。

異なるインピーダンスの機器を接続する際、その影響を最小限に抑える「Terrapin impedance buffering modules」を搭載。ボリュームは、経年変化やチャンネル間のばらつきが発生しない電子式で、1dBステップ。電源には大型のトロイダルトランスを使用している。

Azur 851Wは、Class XD方式を採用したローノイズ・ハイパワーなパワーアンプ。A級アンプは、音質は優れているが発熱が多く効率も低い。AB級アンプは、効率は高いが、A級とB級の切り替えの際に歪が発生する。Class XD方式はAB級の切り替えの際に発生する歪を可聴帯域外にシフトさせるもの。A級アンプの音質とAB級アンプの効率を両立させるCambridge Audio独自の方式だ。

「Azur 851W」

また、柔軟なアンプ構成も特徴の1つ。ステレオアンプとしてだけでなくモノラルアンプとしても利用可能だ。ステレオアンプとして使用した場合の出力は200W×2(8Ω負荷時)・350W×2(4Ω負荷時)で、モノラルアンプとして使用した場合の主力は500W×1(8Ω負荷時)・800W×1(4Ω負荷時)。2台のAzur 851Wを使用することで、ブリッジモノ接続やバイワイヤリング接続も可能だ。

電源には、大型トロイダルトランスを採用。大音量時でも、高いスピーカー駆動能力を実現している。

Azur 851Dは、アップサンプリング機能を備えたDAコンバーター。32bit BlackFin DSPを採用しており、すべてのデジタル信号を384kHz/24bitにアップサンプリングする。DACチップは、アナログ・デバイセズ社のAD1955をチャンネルごとに1つずつ使用している。

「Azur 851D」

入力は、S/PDIF RCA Co-axial or Toslink×2系統、S/PDIF RCA Toslink×2系統、AES/EBU XLR×1系統、S/PDIF BNC Co-axial×1系統を装備。192kHz/24bitまでのハイレゾ音源に対応する。出力は、バランス(XLR)とアンバランス(RCA)を、それぞれ1系統を装備する。