東急百貨店は6月1日、同社の100%子会社である東急百貨店サービスを事業主とし、人材派遣サービスに新規参入する。
東急百貨店のノウハウから生まれた研修・教育メニューを展開
同サービスは、景況感の改善などから雇用情勢は確実に回復し人手不足が逼迫(ひっぱく)していることから、店頭の販売スタッフの確保や質の高いサービスを提供し続けるため、人材の流動化への対応や柔軟な人材の採用、配置が重要と考え新規参入するもの。
同社は、販売スタッフの人材不足に悩む取引先に対して、人材を募集、派遣登録後、同社の採用基準に合致、教育を受けたスタッフを、短期から長期まで必要な期間・ニーズにあわせて派遣する。販売業務が未経験のスタッフでも百貨店内で安心して働くことができ、かつ安定的な収入を得られることで、スタッフのスキルやマインドアップにもつながる。
派遣スタッフの教育・研修は、同社で培った百貨店の接客・販売ノウハウから構築された教育・研修メニューを採用する。基本的な接客マナーから高度な販売技術まで、幅広いメニューを習得することで、「質の高い人材」を育成し、百貨店ならではの販売、サービスの提供が実現できるという。また、研修は勤務前に受けるため、登録から派遣までの期間が通常より1~2日程度短縮され、即戦力となる人材を早期に派遣することが可能となる。
同サービスの実務・運営は、同社の社員が行う。企業における価値ある人材として派遣スタッフが活躍できるよう、百貨店で培った接客・販売業務の経験とサービスマインドを持つ担当者が、募集から面接、フォローまで、きめ細かくサポートする。
参入は同社の主力エリアである東京都・渋谷の東急百貨店本店、東急百貨店東横店、ShinQsから開始。今後は、渋谷3店舗以外の店舗や同社子会社、東急グループの商業施設などへの人材派遣も視野に入れるとともに、渋谷再開発を見据えた新しい戦略のひとつとして、経営資源(人)の確保を追求し、企業の持続的成長と価値向上を目指す。