日本最大級の模型の見本市「第53回 静岡ホビーショー」(主催 : 静岡模型教材協同組合)が、ツインメッセ静岡にて5月15~18日の4日間開催された。レースカーからミリタリーまであらゆる模型の新製品が並ぶ中、鉄道模型の新モデルも多数展示されていた。
北陸新幹線E7系や、誕生50周年を迎える0系新幹線の新製品も
会場では、来年春の長野~金沢間開業が予定される北陸新幹線の新型車両E7系が、TOMIXやKATOによって早くもNゲージ化されていた。長野新幹線「あさま」で先行運転が始まった話題の車両ということもあり、来場者の関心を集めていた。ちなみに、「あさま」は長野新幹線開業(1997年)にともない、姿を消した在来線特急列車の名前でもある。こちらのほうは、マイクロエースが廃止当時の仕様をHOゲージ化していた。
また、今年は新幹線開業50周年の記念すべき年ということで、鉄道模型メーカー各社から0系新幹線の新製品発表が相次いだ。
トミーテックは「TOMIX」ブランドにて、0系初期型車両のNゲージ製品化を予告。座席2列分の大きな客室窓が特徴だ。マイクロエースは小窓の並ぶ1000番台のNゲージを新規作成し、プラッツはラストランを飾ったR68編成のディスプレイ専用Zゲージ(従来品)をリニューアルするとともに、先頭車両に新金型を採用した走行可能モデルを準備するという。
保線車両や転車台など、ディープ(?)な展示も
親子連れに人気の新幹線とは対照的に、鉄道模型ファンに好まれそうなマニアックな展示も充実。とくにファンを引き付けていたのが、グリーンマックスの保線車両2種だった。バラストを突き固める「マルチプルタイタンパー」は国内仕様が初めてモデル化され、さらにバラストを整える「バラストレギュレーター」も、日本初のNゲージモデル化だという。
KATOブースでは、主役である車両以上に、ストラクチャーの展示のほうが目立っていたかもしれない。SL全盛期の機関区をイメージしたレイアウトを中央に設置し、試作品の「電動ターンテーブル」を使って機関車の向きを変えるデモンストレーションが行われ、愛好家を中心に多くの来場者が集まっていた。
鉄道模型ファンとはまた別のターゲットに向けてアピールしていたアイテムが、トミーテックの「はこてつ」だ。箱型にデフォルメされた実在の鉄道車両に、関連するキャラクターを載せたマスコットなのだが、Nゲージサイズの台座が付属しており、動力車と連結すれば走行も可能だという。
ラッピング車両も続々モデル化!
各鉄道事業者にて期間限定で採用され、話題となったラッピング車両も続々とモデル化されているようだ。バンダイブースの「Bトレインショーティー」コーナーでは、アニメ『花咲くいろは』をラッピングしたのと鉄道の車両や、人気キャラ「リラックマ」をラッピングしたJR山手線E231系など、新製品が多数紹介されていた。アニメ『けいおん!』ラッピング車が好評のプラッツからは、新たにアニメ『中二病でも恋がしたい!』ラッピング車両(京阪電気鉄道600形)の製品化企画が告知されていた。
ラッピング車両ではないが、ハセガワブースでは、都電荒川線を走る8800形のうち1両しかなく、「見かけたらラッキー」と人気の黄色い車両が、Nゲージで製品化予定であることがアナウンスされていた。
話題の新型車両・ラッピング車両から、マニアックな車両、そして懐かしの車両まで。今年の静岡ホビーショーも、じつにバラエティに富んだ鉄道模型が並んでいた。