キヤノン「PowerShot G1 X MarkII」は、ワイド端でF2.0、テレ端でF3.9というレンズ開放値の明るさが特徴のひとつ。室内などの薄暗いシーンでも、感度をあまり高めずに比較的速いシャッター速度が使えるほか、コンパクトデジカメでありながらボケを生かした表現が楽しめるメリットがある。
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注意したいのは、晴天の屋外など光量が十分にあるシーンでは、絞りを開放値にセットすると、明るすぎて露出オーバーになる場合があること。そんなときは「NDフィルター」機能を利用しよう。NDフィルターとは、レンズに入射する光の量を抑えるフィルターのこと。一眼レフなどレンズ交換式のカメラでは、レンズ前面に装着するガラス製NDフィルターを使うのが一般的だが、「PowerShot G1 X MarkII」など明るいレンズを搭載した最近の高級コンパクトでは、撮影機能のひとつとしてNDフィルターを内蔵した製品が増えている。
下の1枚目の写真は、逆光で暗くなった部分を明るく照らすために、内蔵フラッシュを強制発光して撮影したもの。絞り値はF13まで絞り込まれたため、背景はほとんどボケていない。2枚目の写真は、NDフィルターを「入」にした上で、絞りを開放値のF2にセットして撮影。背景のボケ量が増し、ふんわりとしたイメージの写真になった。この2枚のどちらがいいかは狙いや好みによって異なるが、NDフィルターを使うことで表現の幅が広がることは確かだろう。