実証実験ハウス

本田技研工業と積水ハウス、東芝の3社は21日、さいたま市に実証実験ハウスを新たに建設し、ITやパーソナルモビリティーなどの技術と、家庭・モビリティー・地域のエネルギー需給を総合的にコントロールするエネルギーマネジメント技術を取り入れた、先進の暮らしの検証を開始したと発表した。

同実証実験ハウスは、実際に人が居住できる二世帯住宅になっており、昼間外出している子世帯の太陽光発電余剰電力を親世帯が使うなど、各世帯で生み出した電気やお湯を世帯間で相互供給可能となっている。また、ケーブルを接続せずに電気自動車(EV)への充電を行う非接触充電、EVに蓄電された電力の家・コミュニティーへの供給、パーソナルモビリティーを使いやすくした住空間づくりといった新たな試みを通じ、未来の暮らしを支える技術をリアルな環境で磨いていくとしている。

実証実験の主な内容は、クルマが家の中まで入る空間づくり、ロボティクスの活用に対応した室内レイアウト、ベランダまで含めた完全フラット床、窓やドア・ブラインドの自動開閉化など、安全で快適な暮らしを支える技術の導入。コミュニティー単位でエネルギー管理を行うエネルギーマネジメントシステム「μCEMS」による世帯間での電力・熱の融通。家庭内だけでなくコミュニティーに電力を供給できるV2H(Vehicle to Home)のシステム導入。非接触充電機器を設置した車庫に「フィットEV」を自動運転で精度よく駐車できるシステムの導入、などとなっている。

今回3社は、モビリティーを含めた暮らしのCO2排出量をゼロとする2020年の暮らしを想定し、実際に人が住める戸建て二世帯住宅で具現化したとしており、未来の暮らしを実現する技術の確立と実用化を目指して、同実証実験ハウスを活用したさまざまな検証を行っていくとのこと。