西日本鉄道は23日、37年ぶりに復活を遂げる313形旧塗装電車の運行開始に合わせ、貝塚駅にて出発式を開催する。
313形は、強度を損うことなく車体を軽量化する「モノコック構造」を採用した日本初の鉄道車両として、1952(昭和27)年に大牟田線に登場。現在は2両1編成(315・365号車)が在籍しているが、来年1月24日の運行終了をもって廃車が決まっている。
同社はこの315・365号車の車体を、1970年代まで使用していたベージュとマルーンのツートンカラー(旧塗装)に塗り替えることを決定。座席も当時使用していた紺色のシートカバーに張り替えるとともに、西鉄電車の歴史を支えた歴代の車両や駅の移り変わりを写真でたどるポスターを車内に掲示し、懐かしい雰囲気を演出する。
313形旧塗装電車の出発式は、10時20分から貝塚駅ホームにて開催。旧塗装時代の313形を運転していた西鉄OB、ローカルアイドル「HR」メンバーの小林まゆさんらが参加し、テープカットや記念撮影、当日乗務する運転士への花束贈呈などを行う。最後に、10時47分発西鉄新宮行の発車に合わせて出発合図を行い、式典を締めくくる。
式典終了後、313形旧塗装電車は貝塚~西鉄新宮間を運転する5編成(平日ラッシュ時は6編成)のうちの1編成として、引退まで運行する予定。315・365号車はこれ以降、塗替えの予定がないため、旧塗装で営業運転最終日を迎えることになる。