米AMDは20日、組み込み向けAPUの第2世代「R」シリーズ(開発コード名:Bald Eagle)を発表した。医療機器やアミューズメントマシンといった高いグラフィックス性能が求められる組み込み機器用の製品で、CPUコアは2または4コア、TPDは17~35W5モデルの5モデルをラインナップする。

第2世代「R」シリーズは、コンシューマ向け製品の「Kaveri」と同様に、CPUにSteamrollerコア、GPUにGCNベースのRadeon GPU Coreを統合したAPU。製造プロセスは28nm。組み込み向けAPUとして、初のヘテロジニアス・システム・アーキテクチャ(HSA)に準拠し、CPUとGPUを共通のメモリ空間で扱う「hUMA」などの機能を搭載する。各モデルの仕様は以下の通り。なお、GPUを無効としたCPUも合わせて用意する。

HSAの鍵となる「hUMA」にも対応

製品名 RX-427BB APU RX-425BB APU RX-225FB APU RX-427NB CPU RX-219NB CPU
CPUコア数 4 4 2 4 2
周波数(ベース / ブースト) 2.7 / 3.6GHz 2.5 / 3.4GHz 2.2 / 3.0GHz 2.7 / 3.6GHz 2.2 / 3.0GHz
GPUコア数 8 6 3 - -
周波数(ベース / ブースト) 600 / 686MHz 576 / 654MHz 494 / 533MHz - -
対応メモリ DDR3-2133 DDR3-1866 DDR3-1600 非公開 DDR3-1600
TDP 35W 35W 35W 35W 17W

AMDによると、前世代のRシリーズと比較してグラフィックス性能は最大55%、CPUとGPUを合わせた演算能力では最大66%の性能向上を実現したほか、競合製品に対してもグラフィックス性能は最大44%、演算能力では最大46%もパフォーマンスが上回るという。

3Dグラフィックスのパフォーマンス比較

こちらは演算能力

また、第2世代「R」シリーズでは、組み込み向けのディスクリートGPUである「Radeon E8860」(開発コード名:Adelaar)とのデュアルグラフィックスに対応し、最大で9台までのマルチディスプレイに対応する。

「Radeon E8860」(開発コード名:Adelaar)とのデュアルグラフィックスにも対応