米Divideは5月19日、米Googleによる買収で合意したことを発表した。買収金額など詳細は非公開。Divideは企業での安全なモバイル端末利用のためのBYOD(Bring Your Own Device)ソリューション技術を提供するベンチャー。買収後はAndroidチームに加わる予定という。

Divideは、大手金融機関Morgan Stanleyでモバイル開発を手がけていたモバイルIT担当幹部Alexander Trewby氏らが創業したモバイルベンチャー企業。アプリはAndroidとiOSに対応し、端末にインストールすることで、仕事用と私用の2つのモードを切り分けて利用できる。

仕事モードでは、暗号化されたDivideワークスペースにパスワード入力によりアクセスする。私用のアプリやデータと切り離されているが、ネイティブのAndroidと同じように電子メール、スケジュール帳などに暗号化された環境で利用できるという。Divideワークスペースからログアウトすると、私用モードに戻る。電子メールでは「Exchange ActiveSync」「Google Apps」「Lotus Notes」との同期が可能。AES-256暗号化、S/MIME、HTML、ジェスチャー、双方向ActiveSync同期などの機能も持つ。同社はこのほか、企業のIT担当が遠隔からITポリシーの実行や管理が可能な企業ソリューションの提供も行っている。

Divideによると、買収後はAndroidチームに加わり、その後もソリューション開発を継続するという。Divideアプリの提供は継続する模様で、既存ユーザーへのサポートも行うとしている。

Googleは同社技術をAndroidに統合することで、Androidの企業向け機能の強化を進める狙いと思われる。企業におけるモバイル端末では歴史的にカナダBlackBerryが強いが、タッチベースのスマートフォン人気を受けて個人が私用端末を業務に利用する事例が増えており、BYODソリューションを導入して対応するところが多い。

GoogleはAndroidの企業向け機能を強化しているが、SamsungなどAndroid端末ベンダーが独自に強化を加える例も多い。すでに米Appleも企業向け機能を強化しているほか、「Windows Phone」を提供するMicrosoftも、企業分野での顧客ベースを活かしてこの分野に進出を図っている。