Quest Visualは、現実拡張(AR)を利用した翻訳アプリであるWord Lensを開発するソフトウェア企業。Word Lensはリアルタイムの翻訳サービスで、現実世界にあるテキストをスマートフォンやタブレットのカメラで撮影し、これを自分の言語に翻訳することができる。看板やメニューなど印刷された文字向けで、手書き文字は未対応。ネットワーク接続は必要なく、撮影後画面に翻訳された言葉が表示される。カメラを利用せず、テキスト入力した言語を翻訳することも可能という。「モバイル端末を利用して、世界を自分の言語で見ることができる」とうたっている。ゲーム開発者のOtavio Good氏らが開発しており、2010年12月に初めて公開された。
Word LensはiOS、Android、Google Glassに対応しており、言語は英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語に対応する。英語と別の言語の組み合わせとなり、英語以外の言語間(たとえばロシア語からドイツ語)の翻訳はできない。アプリは無料でダウンロードできるが、別途有料の言語パックをアプリ内購入形式で入手する必要がある。なお、Googleに移管する間での間、言語パックは全ての組み合わせて無料で提供される。
Quest Visualによると、Googleに加わわった後、将来的に自社技術をGoogle Translateの幅広い言語と翻訳機能に統合する計画という。Google Translateは、機械翻訳技術を利用したGoogleの翻訳サービスで、テキストやWebページを別の言語に翻訳できる。翻訳対象言語は80言語近くで、対応言語であればどの組み合わせも可能。カメラを利用したアプリとしては、Googleは撮影した画像から検索を行う「Google Goggles」を提供している。