京都国立近代美術館は5月27日~7月6日、「上村松篁(UEMURA Shoko)展」を開催する。
上村松篁の、"品があって匂い立つような"花鳥画を展示
日本画家・上村松園の長男である上村松篁(1902-2001)は、近現代の京都画壇を代表する花鳥画家として活躍し、母子二代での受章となる文化勲章を受章した。
同展は、花鳥画の代表作、人物画の大作など初期から晩年に至るまでの本画約75点と、挿絵原画や素描約30点を紹介する大規模な回顧展。母・松園同様、「品があって匂い立つような」芸術を花鳥画で追求し続けた画家の軌跡を堪能できる展覧会となる。
会場では、代表作の「孔雀」をはじめ、「山鹿」「月夜」「星五位」「丹頂」「万葉の春」などの名作を展示。70歳になってから描かれた「孔雀」は、銀白に輝く背景から一歩踏み出し、めいっぱい開かれた絢爛豪華な上尾筒の向かって右側をトリミングしたことにより動きが出るとともに、その羽根が震わされているような錯覚を与えている。実際に孔雀を飼い、その生態を間近で見ていた松篁にのみ描き得た作品となっている。
また期間中、記念講演会として、上村淳之氏(文化功労者・日本芸術院会員・日本画家)による「自然との対話の中で」(6月7日 14時~15時30分)と、飯島幸永氏(写真家)による「上村松篁画伯の人間像―12年に及ぶ撮影を通して」(6月21日 14時~15時30分)を開催。いずれも京都国立近代美術館 1階講堂にて。定員100人で、聴講無料。当日11時よりインフォメーションにて整理券を配布する。
開催日時は、5月27日~7月6日 9時30分~17時。毎週金曜日は20時まで(入館は閉館30分前まで)。休館日は月曜日。会場は、京都国立近代美術館(京都府京都市左京区岡崎円勝寺町 岡崎公園内)。観覧料は、一般 当日1,300円/前売1,100円、大学生 当日900円/前売700円、高校生 当日500円/前売300円。中学生以下、障がい者手帳などの提示者と付添者1名は無料。