ウェザーニューズはこのほど、梅雨の風物詩の1つであるほたるの出現傾向を発表した。

ほたる前線マップ

同社によると、ほたるの出現時期は晩冬から春の気温に影響されるという。晩冬は幼虫が栄養を蓄える時期で、寒さによりその活動が鈍くなる。春はホタルが上陸してさなぎとなるが、暖かい日が続くほど早く羽化する傾向が見られる。

今年は、2月~3月上旬にたびたび寒の戻りがあったものの、晩冬から春先にかけて全国的に気温が高めの日が多く、特に4月後半以降は季節外れの暖かさとなる日も多かった。このため、ほたるの幼虫が上陸する時期は昨年より早い地域が多い見込みとなる。ただし、寒の戻りの影響が大きい関東など一部地域では、幼虫の成長に遅れが出ている可能性があるという。

ほたるが飛び始める時期は、北・西日本では昨年並みかやや早めとなる見込み。宮城では、6月10日頃(ピークは6月24日)から飛びはじめ、大阪では5月26日頃にピークを迎えることを予想している。一方、寒の戻りの影響が大きい東日本は、昨年並みか遅めとなるという。

関東は昨年と同じかやや遅く、5月中旬から飛び始め、6月上旬~中旬にピークを迎える見込み。東京では5月23日頃(ピークは6月3日頃)からを予想している。西日本の所々では、現在すでにほたるが飛び始めており、九州や四国では間もなくピークを迎える地域もあるようだ。5月下旬は近畿や東海、関東、6月は甲信や北陸、東北を中心に、7月は北海道でほたる鑑賞が楽しめる。

ほたるの卵や幼虫が生育する川で増水が発生すると、卵や幼虫が流され、翌年の生育に影響が生じることもある。昨年の夏以降に台風などで大雨があった地域では、今年のほたるの出現数が減少する可能性があるという。