NTTドコモが5月14日に2014年夏モデルを発表した。同日開催された新製品発表会において、同社の加藤薫社長は「全部がお勧めモデル。それぞれ特徴があるので、うまく選んでもらえるラインナップにしたつもり」と話し、それぞれ独自の機能を盛り込んだとしている。
その中で、富士通は、日本語入力機能に注力したスマートフォン「ARROWS NX F-05F」を発表。"スマートフォン史上最高レベル"をうたう日本語入力システム「Super ATOK ULTIAS(スーパー エイトック ウルティアス)」を搭載した製品だ。今回、発表会で展示されていた実機でSuper ATOK ULTIASの実力をチェックしてきたので紹介しよう。
ARROWS NX F-05Fは、約5インチ フルHDディスプレイを搭載したスマートフォン。「WhiteMagic」技術の採用により最大1,000カンデラというディスプレイ輝度を実現したほか、デジカメの画像処理にも使われている富士通製の画像処理エンジン「GRANVU(グランビュー)」を搭載した約2,070万画素カメラを搭載する。
このほか、LTE/3GとWi-Fiに同時接続できる「マルチコネクション」、簡単に端末のロックを解除可能な「スマート指紋センサー」、IPX5/8の防水機能などを搭載。さらにLTEの高速データ通信ネットワーク上で音声通話を実現する「VoLTE(ボルテ)」もサポート。3,200mAhバッテリーの搭載と富士通が長年培ってきた技術を盛り込んだ「ヒューマンセントリックエンジン」により、3日間の長時間駆動も実現した。
ATOK ULTIASだ。Super ATOK ULTIASは、富士通とジャストシステムが共同で開発したもので、高精度な変換、多彩な日本語入力機能などが特徴となっている。ATOK自体はAndroid向けに単体アプリとして「ATOK for Android」が提供されているが、Super ATOK ULTIASはパソコン向けATOKと同等の推測エンジン、登録語彙数を備え、文脈に応じた変換候補が表示されるなど、単体アプリにはない機能を搭載している。
「けいさんがせいかく(計算が正確)」と入力した場合、変換候補の頭に「正確」が表示され、「きがつよいせいかく(気が強い性格)」では「性格」が表示される―― といったように、入力された文脈を判断してくれる点が特徴で、より素早く正確な入力環境を実現する。
加えて、アプリに応じて変換候補を自動切り替えする機能も搭載。「おか」まで入力した時点で、メールアプリだと「お母さん」が変換候補で先に表示され、マップアプリでは「岡山」が先に表示される、といった具合にアプリに応じた候補表示になる。
また、「ついきゅう(追求・追及・追究)」のように複数の変換候補がある場合は、変換候補を長押しすると、内蔵辞書を検索した結果を表示。意味を調べて、最適な候補を選択できる。
このほか、Android向けATOKよりも豊富な登録語彙数を生かして、町名を入力すると、全国の同じ町名の住所一覧を表示してくれたり、郵便番号を入力すると住所を補完してくれる機能も搭載する。
さらに、日本語の読みから英語に変換してくれる機能や最新語句を自動更新する「キーワードExpress」を無償提供するなど、多彩な機能で入力をサポートしてくれる。個人的に気に入ったのは、「かっこ」と入力して「()」に変換して確定すると、今までは「)」の後ろにカーソルがあったが、これを「(」と「)」の間にカーソルが自動移動するようになっている。細かいところだが、こうした普段の使い勝手を向上させる機能が盛り込まれている。
なお、富士通とジャストシステムは4月24日にSuper ATOK ULTIASに関する説明会を開催している。マイナビニュースでは同説明会の模様もレポートしているので、本稿とあわせてチェックしていただきたい。
(執筆:三谷真)