NECパーソナルコンピュータは14日、個人向けタブレット「LaVie Tab E」の2014年夏モデルを発表。これに合わせ、東京都内で新商品発表会を開催した。
今回発表された「LaVie Tab E」は、Android 4.2搭載の8型タブレット「LaVie Tab E TE508/S1」(TE508/S1)と、10.1型の「LaVie Tab E TE510/S1L」(TE510/S1L)。出荷時期と店頭予想価格は、8型のTE508/S1が6月下旬で税別20,800円前後、10.1型のTE510/S1Lが5月下旬で税別31,800円前後となる。
いずれも、チュートリアル動画や従来より見やすく改善したセットアップシート、写真や動画をPCと共有できる「コンテンツナビモバイル」など、タブレットに馴染みがない層に広く訴求する製品だ。その一環として、電子書籍サイト「eBook Japan」のコンテンツを2,160円相当(540円クーポン×4)購入できるクーポンも付属する。
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国内市場の普及の鍵は「変化への対応」と「コンテンツの再開拓」
発表会では、まずNECパーソナルコンピュータの取締役 執行役員常務の留目真伸氏が登壇し、タブレットの国内市場動向と新製品導入の狙いについて説明を行った。
留目氏は「国内のタブレット市場は、2013年後半から足踏みを続けている状態。しかし、先進国のタブレット個人普及率を見ると日本は18%と低く、まだまだ普及しきった状態にはない」と語り、市場が停滞と興盛の分岐点にさしかかっていると指摘した。
これを踏まえ、タブレット普及の鍵として「ユーザーニーズ変化への対応とコンテンツ提供の再開拓が必要」と語り、パートナー企業との連携によって「一般ユーザーに、まず使ってみたいと思ってもらえる用途を提案していく」とコメント。
その具体例として電子書籍、国産ブランドの安心感、リーズナブルな価格の3つを挙げ、「買ってすぐ電子書籍や電子コミックスが楽しめる製品を、国内企業ならではの安心感とリーズナブルな価格で提供する」と説明。これらを満たす「LaVie Tab」シリーズを投入していくことで、「東京でビッグイベントがある2020年までに国内のタブレット年間出荷台数を、(現在の700万台から1,400万台に)倍増させる。これにより、日本のIT活用力を向上させ、国際競争力を高める一助とする」と宣言した。
安心・簡単・快適を「LaVie Tab E」にも - 柴山氏
続いて商品企画本部の柴山友則氏が登壇し、タブレット新モデル「LaVie Tab E」シリーズについて説明を行った。
柴山氏は「一般ユーザーはタブレットを買う際に、自分に使いこなせるのか、ちゃんと動くのかなど、いろいろ不安を感じる。欲しい気持ちを不安な気持ちが上回って手を出せない人が多い」と語り、同社がPCシリーズでうたう「安心・簡単・快適」を、タブレットでも提供するとした。
これに関し、「LaVie Tab E」には詳細な取扱説明書とは別に、大判で読みやすいセットアップシートを同梱していることを紹介。また、端末の操作方法やGoogleアカウントの取り方など、使い始める上で必要な情報を網羅したガイドブックや、チュートリアルビデオも標準添付し、それでもわからない場合は使い方を無料で相談できる電話サポートも提供するという。
さらに、製品には電子書籍ストアを展開するeBookJapanとの連携で、電子書籍アプリ「ebiReader」をプリインストールしていること、2,160円分の電子書籍を購入できる図書クーポンが提供されることも紹介した。
また、市場競争における優位点の1つとして、「低価格」を提示。「価格も8型モデルが20,800円、10.1型が31,800円と購入しやすい価格を実現した。また、カバーと液晶保護フィルムがセットになった純正オプションも用意し、トータルで安心感を提供する」と締めくくった
eBookJapanの小出斉代表取締役社長も登壇。「電子書籍市場はタブレットとスマートフォンからの売り上げが成長を牽引している。なかでもタブレットは普及台数に比較して売り上げが高く、電子書籍との相性がいい」とコメントし、NECのタブレット事業戦略への期待を示した |
個人向けパソコン新商品も発表
発表会では、4月24日に発表済みの個人向けノートPC「LaVie」とデスクトップ「VALUESTAR」シリーズの最新モデルを改めて紹介するとともに、Haswell Refreshことインテルの最新プロセッサを搭載した新モデルの追加発表を行った。
新製品はインテルの新プロセッサHaswell Refresh(開発コード名)を採用した分離型デスクトップPC「VALUESTAR L」で、上位モデルの「VL750/SSW」ではIntel Core i7-4790を、下位モデルの「V150/SSW」ではIntel Core i3-4150を搭載する。6月20日に発売予定で、店頭予想価格は上位モデルが224,800円前後、下位モデルが119,800円前後。
また、PC新商品に関して、ヤマハとの共同開発による音響補正ソフトウェア「AudioEngine」や、ニュースの本文を解析してユーザーの嗜好に合わせた情報を届けるニュースアプリ「My Time Line」など、搭載する技術や機能についても説明が行われ、「持っていることでワクワクし、使うほどに面白さが新たになる製品を提供していく」と、意気込みが語られた。