三菱ケミカルホールディングスは13日、産業ガス大手の大陽日酸に対し、普通株式の公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。買い付け価格は1株1,030円の予定で、買い付け開始時期は2014年11月上旬を目途としている。

両社は、13日にそれぞれ開催した取締役会決議に基づき、資本業務提携関係の強化および企業価値の向上を目的とした基本合意書を締結。三菱ケミカルホールディングスは、公開買い付けにより大陽日酸の議決権の過半数を取得し、大陽日酸を連結子会社化する。

両社は今後、それぞれが保有する販売チャネルの相互活用を計画。具体的には、大陽日酸メディカル事業の医療用ガス・関連機器の三菱ケミカルホールディングスを通じた販売チャネルでの拡販など、全ての事業セグメントにおいて協業や取引の可能性を検討する。

大陽日酸がこれまで行ってきた、国内大口顧客を中心としたパイピングガス供給(オンサイトプラント方式)についても、三菱ケミカルホールディングスが今後計画する新たな海外生産拠点で活用することで、海外事業の拡大を図る。また、パイピングガス供給により長期安定的なベースロードを確保した上で、近隣市場への液化ガス、シリンダーガス並びにガス関連機器需要も取り込み、既存製品・事業との相乗効果による売上拡大も目指すとしている。