ドイツのアウディ社はこのほど、同社のスーパーカー「R8」のル・マンエディション「R8 LMX」を発表した。量産車では初めて、レーザーハイビームを搭載しているという。
「R8」は高回転型のV10エンジンをミッドシップにマウントしたスーパーカー。5.2リットルのエンジンは570PSを発揮し、ダブルウィッシュボーンサスペンション、ASF(アウディ スペース フレーム)アルミニウムボディなどにより、卓越した走行性能を実現している。0-100km/h加速はわずか3.4秒となっている。
今回発表された「R8 RMX」は、量産車としては世界で初めてレーザーハイビームを搭載した。ヘッドライト1つにつき1つのレーザーモジュールが、オールLEDヘッドライトの2倍の範囲で光を照射する。各モジュールは4つのハイパワー レーザーダイオードで構成されており、直径300ミクロンのレーザーダイオードが、450ナノメートルの波長の青いレーザービームを発生。蛍光体コンバーターがこれを路面照射に適した色温度5,500ケルビンの白色灯に変換して照射する。
この光は人間の目にとって理想的なもので、ドライバーが明暗のコントラストを認識しやすく、疲れを軽減する。車速60km/h以上で稼働するレーザースポットがLEDハイビームを補完し、視認性と安全性を向上させる。また、カメラベースのインテリジェント センサーシステムが他の走行車両を認識し、これらに照射しないよう自動的にライトパターンを制御する。
「R8」は2008年にオールLEDのヘッドライトを世界で初めて搭載した量産車であり、これに続いてのレーザーハイビーム搭載は、アウディのライティング技術の高さを証明したものといえる。「R8 LMX」は今年の夏から欧州でデリバリーが開始される予定だ。