韓国Samsung Electronicsが、Tizenベースのスマートフォン製品をロシアとインドの2市場で展開するという関係者の話を米Wall Street Journalが5月11日(米国時間)に報じている。同社は数週間内にもロシアの首都モスクワでリリースに向けたイベントを開催する計画だとしており、これは6月初旬に米カリフォルニア州サンフランシスコで開催されるTizen Developer Conferenceに合わせたタイミングだとされる。
インドの状況については不明な点が多いが、やはり近い時期での市場投入が見込まれているという関係者の話をWSJでは報じている。同国ではTVセット向けのTizen開発が進められているというが、少なくともパートナー企業の名前も出ておらず、早めの時期での製品投入はなさそうだと考えられている。
また投入される製品だが、今年2月末のMWC 2014でプレビューされたZEQ9000という端末がベースになっているという噂がある。ロシア市場へのTizenスマートフォン投入については少し前から噂が出ており(ロシア語)、ある意味でTizen搭載商用製品としてはウェアラブルデバイスの「Gear 2」が先行するなか、スマートフォンはロシアへの先行投入が行われるのではないかという観測が固まりつつある。特に今回名前の挙がったロシアとインドはスマートフォン普及率が2~4割程度とまだ比較的低い水準にとどまっており、中国市場などと並んで端末販売が爆発的に伸びることが見込まれている。Samsungの狙いも、製品ラインナップを拡充して、こうした市場でのプレゼンスを拡大することにあるとみられる。