独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)は12日、 超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)を用いた実証実験の結果を公表した。3.2Gbpsという広帯域伝送を実現するとともに、4K映像の非圧縮伝送に成功したという。

「きずな」大型車載地球局(写真左)と、今回の実験概念図(写真右)。NICTのプレスリリースより

今後の展望として、「きずな」の大型車載地球局により、被災地の状況や負傷者の情報を4K映像で迅速に災害対策本部へ伝送したり、遠隔地の専門医に医療情報を的確に伝える遠隔医療への活用を期待している。また、周波数資源のさらなる有効利用を進めるため、同一周波数帯域を使った広帯域伝送(一例として4.8Gbps)の実現に向けた検討にも取り組む。

超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)は、技術実証を目的として、NICTおよびJAXA(独立行政法人 宇宙航空研究開発機構)が開発した衛星。平成20年2月23日にH-IIAロケットで打ち上げられ、同年6月30日から定常運用中。打ち上げ時の伝送速度性能は622Mbpsだったが、今回その約5倍となる3.2Gbpsを達成した。