パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は12日、SSDポータブルカーナビゲーションの新製品として、「ゴリラ・アイ」を1モデル、「ゴリラ」を3モデル、計4モデルを発表した。

6月12日より順次発売し、価格はオープン。推定市場価格は、最上位となるゴリラ・アイ「CN-GP747VD」が70,000円前後、ゴリラの「CN-GP745VD」が60,000円前後、「CN-GP740D」が50,000円前後、「CN-GP540D」が37,000円前後。

最上位のゴリラ・アイ「CN-GP747VD」は、ドライブカメラが搭載されたモデル。3種類の衛星受信とジャイロセンサー、OBD2に対応

新モデルの大きなポイントは、自車位置の測位精度をより向上させていること。現行製品では、GPS衛星と日本独自の衛星測位システム(準天頂衛星「みちびき」)を利用して位置情報を取得しているが、新モデルではロシアが構築している衛星測位システム「グロナス」の信号も受信することで、精度向上を図っている。ロシアのグロナスは現在、24基の衛星が稼働して全世界をカバー。

CN-GP747VDとCN-GP745VD、CN-GP740Dは、オプションのOBD2アダプターを使うことで、近年の自動車に搭載されているOBD2端子から速度情報を取得し、測位精度の向上に使われる。トンネルや高架の下など、衛星からの電波を受信できない場所でも、内蔵されたジャイロセンサーとの組み合わせによって、高精度な自車位置測位を実現しているという。

一般的に据え置き型のカーナビは、車速信号を車から取得して測位精度を上げているが、これには信号ケーブルの取り付け作業が必要なため、ポータブルカーナビにおける1つの課題となっていた。そこで、車のメンテナンスに使用するOBD2端子から速度情報を取得することで、より高精度な自車位置測位を可能とした。多くの自動車では、OBD2端子は運転席周りの足下にあるため、車に詳しくない人でも比較的簡単に接続できる。

CN-GP745VD

CN-GP740D

CN-GP540D

■新モデルの主な機能差
品番 画面サイズ トリプル衛星測位+ジャイロ OBD2対応 FM-VICS 道路マップ無料更新 ドライブカメラ
CN-GP747VD 7V型
CN-GP745VD 7V型
CN-GP740D 7V型
CN-GP540D 5V型

記録メディアとしては、16GBのSSDを搭載。HDDナビなみのデータを収録しているという。2014年度版のマップデータに、電話番号を約3,210万件、住所を約3,690万件、あいまい検索を約640万件、ジャンル検索を約365万件、観光情報誌るるぶ約100冊分をデータ化した「るるぶDATA」が収録されている。CN-GP747VDとCN-GP745VDは、道路マップ無料更新に対応しており、2017年11月30日まで無料で更新可能。年6回更新されるマップを自分でダウンロードし、SDHCカードを使って更新する。

画面はLEDバックライトのTFT液晶(800×480ドットのワイドVGA)で、タッチパネルは感圧式、画面サイズはCN-GP540Dが5インチ、そのほかの機種が7インチとなる。ワンセグTVは4機種とも内蔵している。

渋滞情報を取得するFM-VICSは、CN-GP747VDとCN-GP745VDが搭載。また、全機種ともバッテリーを内蔵し、CN-GP540Dが約2時間、そのほかの機種は約1.5時間の駆動が可能だ(ワンセグ受信時)。オプションのOBS2アダプターは2014年冬に発売予定で、ACアダプターはすでに発売済み。

また、グルメや観光スポットをスマートフォンで検索して目的地に設定できる「おでかけナビサポート ここいこ♪」を、前モデルに引き続きサポート。スマートフォンの専用アプリで目的地を検索し、Bluetoothでゴリラと接続して「送信」ボタンを押すだけで、目的地として設定される(CN-GP540DはBluetooth非搭載)。あらかじめBluetoothの設定をしておけば、車に乗ってゴリラが起動したら自動的に目的地を設定することも可能。情報は、ぐるなび、るるぶDATA、Yahoo! JAPANなどから取得している。専用アプリにはiPhone版とAndroid版があるが、今回の製品と連携できるのはAndroid版のみ。

最上位となるゴリラ・アイのCN-GP747VDは、車前方を撮影するドライブカメラを搭載している。このカメラはエンジン始動と連動して、常時録画を行う。録画はmicroSDカードに記録され、付属の8GBのメモリなら高画質モード(1,280×720ドット)で約2時間、標準モード(640×368ドット)で約14時間の録画が可能。フレームレートは1,280×720ドットで27fps、640×368ドットで13.5fpsとなる。動画形式はH.264 AVI。

録画した動画はナビ本体のモニターですぐに見られる。録画データには位置情報も記録されるため、動画を再生しながら、その動画を撮影した場所の地図を同時に表示するといった操作もできる。

本体サイズ/重量は、CN-GP747VDがW176×D21.5×H113.8mm/約365g、CN-GP745VDがW176×D21.5×H113.8mm/約365g、CN-GP740DがW176×D19.5×H113.8mm/約355g、CN-GP540DがW128×D17.9×H86mm/約205g。