シャープは5月12日、2013年度(2014年3月期:2013年4月1日~2014年3月31日)の連結業績を発表した。営業利益は2012年度(2013年3月期:2012年4月1日~2013年3月31日)の△1,462億円(損失)から1,085億円へ、当期純利益は5,453億円の損失から115億円へと、それぞれ黒字へ転換。巨額の最終赤字を計上した2013年3月期から大幅に改善した業績となった。
連結業績(日本基準に基づく。△は損失) | |||
2013年度(2014年3月期) | 2012年度(2013年3月期) | 前年度比 | |
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売上高 | 2兆9,271億8,600万円 | 2兆4,785億8,600万円 | +18.1% |
営業利益 | 1,085億6,000万円 | △1,462億6,600万円 | ― |
経常利益 | 532億7,700万円 | △2,064億8,800万円 | ― |
当期純利益 | 115億5,900万円 | △5,453億4,700万円 | ― |
部門別では、プロダクトビジネスが前年度比13.7%増の1兆8,181億円、デバイスビジネスが17.9%増の1兆3,174億円と、いずれにおいても売上高が大幅に回復。特に、プロダクトビジネス部門においては、住宅用およびメガソーラーなど産業用の販売が伸長した太陽電池事業で4,390億円の売上を計上し、前年度の2,599億円より68.9%増とななった。
デバイスビジネス部門を構成する液晶事業と電子デバイス事業は、ともに2桁成長をみせた。液晶事業は2012年度の8,468億円から9,910億円、電子デバイス事業は2012年度の2,706億円から3,263億円へと伸長。
このような売上高の伸びに加えて、固定費削減等の構造改革により営業利益が改善。事業別では、デジタル情報家電事業、太陽電池事業、液晶電子デバイス事業において大幅な改善、伸長がみられた。
営業外損益項目や特別損益項目では、前年度は事業構造改革費用として計上した1,433億円をはじめとして特別損失があった。一方、2013年度は子会社において当初見込まれていた収益が見込めなくなったことによるのれんの減損や、デジタル情報家電の生産設備に関する減損として計117億円計上したものの、それ以外に目立った特別損失はなく、さらに第4四半期に計上した投資有価証券売却益47億円を特別利益に計上。これにより、当期純利益においても、115億円の黒字を確保した。