JR北海道グループの2014年3月期決算がこのほど公表された。鉄道運輸収入の減少や修繕費・動力費の増加により、JR北海道単体では営業損失が大幅に悪化したが、経営安定基金の運用収益の増加などにより、経常利益と当期純利益はともに前年度より大幅に回復している。

JR北海道グループの2014年3月期決算が公表された

JR北海道単体では、長期間にわたる列車の運休や昨年11月のダイヤ改正による運転本数の見直しなどの影響で、鉄道運輸収入が前年度より17億円減少し、過去2番目に少ない670億円に。営業費用は修繕費や動力費が増加したことで、前年度より46億円増加。鉄道運輸収入を含む営業収益から営業費用を引いた営業利益は372億円のマイナスとなり、4期連続で悪化した。

一方、円安・株高の影響で経営安定基金の運用収益が前年度より87億円増加したほか、経営支援としての設備投資助成金を特別利益に計上したことにより、経常利益は前年度比27億円増の37億円、純利益は前年度比47億円増の60億円となり、ともに前年度より大幅に回復した。「この利益は安全確保・安全性向上に必要な設備投資や修繕に最大限活用いたします」とのこと。

運輸業、小売業、不動産賃貸業、ホテル業など、JR北海道グループ30社の連結決算では、北海道新幹線工事関連の売上げが110億円増加したことなどにより、営業収益は前年度比98億円増の1,894億円に。一方で営業費用も前年度より146億円増加して2,180億円となったため、営業損失は前年度から48億円悪化した286億円となった。

営業外損益は、前述の経営安定基金運用収益の増加などにより、前年度比89億円増の400億円を計上。この結果、経常利益は前年度比40億円増の114億円、当期純利益は前年度比51億円増の91億円となった。