財務省は12日、2013年度の国際収支状況(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は7,899億円の黒字となり、比較可能な1985年度以降で最少となった。経常黒字の減少は3年連続で、黒字幅は前年度と比べて3兆4,334億円縮小した。
貿易・サービス収支は14兆4,422億円の赤字で、過去最大を更新。赤字は3年連続で、赤字幅は前年度比5兆84億円拡大した。
貿易収支は10兆8,642億円の赤字で、同じく過去最大に。赤字は3年連続で、赤字幅は前年度比5兆6,169億円拡大した。米国・中国向けを中心に輸出が増加したものの、原粗油や液化天然ガスを中心とした輸入の増加が上回ったため、赤字幅が拡大した。
輸出額は前年度比7兆6,013億円増の69兆8,039億円で、3年ぶりの増加。輸入額は同13兆2,182億円増の80兆6,681億円で、4年連続の増加となった。
サービス収支は3兆5,779億円の赤字で、赤字幅は前年度比6,085億円縮小した。「その他サービス収支」は赤字幅が拡大したのに対し、「輸送収支」「旅行収支」は赤字幅が縮小したことが要因。
第1次所得収支は16兆6,596億円の黒字で、過去最大を記録。黒字幅は前年度比2兆449億円増加し、5年連続で拡大した。直接投資に係る配当金・配分済支店収益の受取増加等により直接投資収益が増加したことに加え、証券投資に係る債券利子の受取増加等により証券投資収益も増加したためという。
同省は併せて2014年3月の国際収支(速報)を発表。それによると、3月の経常収支は1,164億円の黒字となり、黒字幅は前年同月と比べて1兆1,668億円縮小した。
貿易・サービス収支は1兆2,179億円の赤字で、赤字幅は前年同月比1兆162億円拡大した。赤字は24カ月連続(季節調整値ベースでは37カ月連続の赤字)。
貿易収支は1兆1,336億円の赤字で、赤字幅は前年同月比1兆597億円拡大した。自動車や鉱物性燃料を中心に輸出が増加したものの、原粗油や液化天然ガスを中心とした輸入の増加が上回ったことが影響した。
輸出額は前年同月比3,789億円増の6兆5,108億円で、13カ月連続の増加。輸入額は同1兆4,386億円増の7兆6,443億円で、17カ月連続で増加した。
サービス収支は843億円の赤字で、赤字幅は前年同月比435億円縮小。第1次所得収支は1兆7,549億円の黒字で、黒字幅は同272億円拡大した。