米Appleが米Beats Electronicsを32億ドルで買収する交渉が大詰めを迎えているとFinancial Timesが報じた。実現すれば、Appleにとって過去最大の企業買収になる。
Beats Electronicsは、ミュージシャン/プロデューサのDr. Dre、プロデューサ/企業家であるJimmy Iovine氏などが2008年に立ち上げた。ヒップホップやポップミュージックに適したパワフルなサウンドを特徴とする高品質なヘッドフォンを提供。Dr. Dreが手がけていることをアピールする「Beats by Dr. Dre」というブランド戦略も奏功し、瞬く間にティーンエイジャーを中心にユーザーを広げた。2011年にHTCがBeatsの株式の50.1%を取得したが、提携関係が悪化。Beatsは大手投資ファンドからの出資を得るなどして、2013年にHTCとの資本関係を解消した。現在ヘッドフォン、イヤホン、スピーカーを開発・販売するほか、BeatsAudioとしてHP(ノートPC、タブレット)、Chrisler、Dodge、Fiat(自動車)に同社のオーディオ技術をライセンス提供している。また今年1月にサブスクリプション型のオンライン音楽サービス「Beats Music」を開始した。
Financial Timesは、交渉をよく知る人物から得た情報として報じている。買収にはヘッドフォンやスピーカーなどのオーディオ機器事業と、音楽ストリーミングサービスの両方が含まれ、早ければ来週にも発表が行われるとしている。