毎朝会社に出勤、外回りでクライアント先をまわって、定時後に残業、週に数回は同僚とごはんでも…。日本の平均的なビジネスパーソンとして思い浮かぶのは、そんな働き方ですが、世界のビジネスパーソンはどのように働いているのでしょうか? 中国・北京で精密機器販売会社のIT部門スーパーバイザーとして働く西木(シームー)さん(34歳)に話を聞きました。
■これまでのキャリアの経緯は?
学生時代の専攻はコンピューター関係。英語も勉強し、さらに第二外国語で日本語を専攻していたので少しだけ話すことができます。大学卒業後5年間、ソフトウェアの会社で働いていました。200人くらいの規模の会社で部下が2人いました。しかし業績が悪くなり、最後の年はボーナスが出ませんでした。ちょうどその頃、子どもができたので、家族のために転職を決意しました。
転職サービスの会社を通して、外資系の会社を中心にエントリーをしました。2社からオファーを得たのですが、ある会社は家から片道2時間と遠かったためあきらめ、現在の会社に決めました。現在の会社は日系の精密機器販売会社です。仕事では主に英語を使用します。
IT部門に所属し、社内のITインフラを整備する仕事を担当しています。スーパーバイザーとして2人のチームメイトに指示する立場にあります。
■現在のお給料は以前のお給料と比べてどうですか?
給料詳細は返答できませんが、転職前に比べて25%、給料がアップしました!
■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?
気に入っているところは自分の能力を高められる点です。エンジニアとしてのITスキルと人を束ねるマネジメントのスキルの両方が求められるので、両方を学べるチャンスがあります。また、ヘッドマネージャと直接話せる機会が多いので、会社の方針が見えやすいのもいいですね。
■逆に今の仕事で大変なこと、嫌な点は?
残業が多い点ですね。家族にもっと早く帰って来いと言われます(苦笑)。
■休みのとりかたは?
週休2日の他に、旧正月など中国の休みが年に数回あります。去年は有給休暇をとって家族と沖縄旅行をしました。
■日本人のイメージは? あるいは、理解し難いところなどありますか?
日本人は残業ばかりしていますね。中国人は家族のために稼ぎたいと思っていますが、残業は好きではありません。家族の時間が一番だからです。中国人は会社への興味は比較的薄い。会社への貢献を重視する日本人とは全く違うと思います。
■ちなみに、今日のお昼ごはんは?
「マーラータン」と「シーホンシージーダン」。いつも食堂で二品食べます。マー=山椒、ラー=唐辛子、タン=熱い湯という意味で、その名の通り辛いスープです。「シーホンシージーダン」はトマトと卵を炒めてごはんにかけたもの。味は甘くて少し酸っぱいです。北京の食堂ではどの店でも置いているとても人気の料理です。合わせて20元(326円)。
■将来の仕事や生活の展望は?
もちろん出世をしたいと思っています。それはお金の面でもポジションの面でも両方において上を目指したいということです。収入の面だけを重視するのであれば、残業をたくさんすれば良いのですが、そういうことではなく、残業をしていなくても満足できる収入があり、会社の中で主要なポジションに着いているということが理想です。できれば現在の会社でより高いポジションに就きたいと思っているので、今のところ次の転職は考えていません。
仕事以外では、ゴルフ、自転車、音楽などたくさんの趣味があります。最近は車も買いました。好奇心を持って新しいことを楽しめる暮らしがしたいと思います。