京王電鉄はこのほど、高尾山口駅前で温泉の掘削に成功したと発表した。今後開業させる日帰り入浴施設の源泉として利用する予定で、2015年春の開業をめざして準備を本格化させるという。あわせて高尾山口駅のリニューアル工事を含む駅周辺整備にも着手する。

リニューアル後の高尾山口駅イメージ

同社は高尾山登山客や周辺住民の利用を想定した日帰り入浴施設建設のため、2012年10月に高尾山口駅前で温泉掘削工事に着手。約1年半を費やし、26.2度のアルカリ性単純温泉を掘り当てた。「京王高尾山温泉」と名付けられたこの温泉は、ポンプで汲み上げる「動力揚湯」により、毎分300リットル湧出しているという。

この温泉を活用して建設される入浴施設は、鉄骨造り地上2階建てで、建築面積約1,081平方メートル、延床面積約1,788平方メートル。和の雰囲気を持つ建物とし、食事処やリラクゼーションコーナーなども併設する予定としている。

高尾山口駅駅舎リニューアルのデザインは、日本を代表する建築家・隈研吾氏が担当。「高尾山の玄関口としてふさわしい、『観光地らしい』『わくわくする』雰囲気をもった駅舎へと生まれ変わります」と同社。トイレ増設、外国人旅行者対応の観光案内所(八王子市が運営)の設置など、高尾山来訪者へのさらなる利便性向上を図るとしている。八王子市と協調して駅改札口前に歩行者広場と交通広場も整備し、駅前の交通環境改善にも取り組む。