「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」、「ウルトラマン」といった特撮ヒーローものは、男ならば子供の頃に誰しもが一度は通った道であろう。だが最近ではそんな少年期の思いを甦らせ、大人になってからも特撮モノにハマる人も少なくないそうだ。

そんな折、「新宿にかわいい女の子と特撮談義に花を咲かせられる秘密基地があるらしい」との情報が舞い込んできた。噂の真相を確かめてこい的な特命戦隊ばりのミッションが下り、いざ出動~!

ハンパない量のおもちゃとかわいい女の子に会える幸せ空間

総席数は13席。カウンターまで侵略してしまうほど、おもちゃの数が多い! 多すぎる!!

新宿駅から徒歩10分ほど。ゴールデン街の近くにあるビルの4階に「特撮カフェ&バー ぽんでぃしぇりぷらんたん」はある。さっそくドアを開けてみると、膨大な数の超合金やソフトビニールのフィギュアが目に飛び込んできた。

ここからは俺のステージだ! とばかりに仮面ライダーやウルトラマンなど、所狭しと飾られているおもちゃに目を奪われていると、「隊長! 防衛お疲れ様です! 」との高い声が。キュートなコスチュームに身を包んだ女の子がお出迎えしてくれたのだ。ふむふむ、どうやら客が「隊長」で、女の子が「隊員」というコンセプトのようだぞ。

同店で一番名前が長くて「なかなか覚えてもらえない」という改造円谷ソフィまどか隊員

「中学生のとき、部活の朝練に行く前に『獣拳戦隊ゲキレンジャー』を観て、今日も部活頑張ろう! って元気をもらってて。そこから特撮にハマりました」と語る改造円谷ソフィまどか隊員。中学の頃からとは、筋金入りの特撮ヲタじゃないか。あと、なんか「まどか隊員! 」って無性に呼びたくなるのはナゼだろうか。

まどか隊員! このままアナタとお話しし続けていたいところではあるが、お店のことを探るという重要任務があったのを忘れるとこだった。任務なんぞ放り出したい気持ちを抑えて、店主のトムゾウさんにお話を伺ってみた。

「普段、特撮のマニアックな話ってあんまりできないじゃないですか。でも、ウチは特撮好きの女の子が10人ほどスタッフとして働いているんで、先週の仮面ライダーのあのシーンが良かった! だとか、オタク魂全開で話ができますよ。もしスタッフが知らない作品でも、特撮好きだから興味津々で聞いていますし。もちろんスタッフが語る、っていう逆もあります」とのこと。こりゃ、特撮ファンでなくても楽しめそうだ。「それに好きなようにおもちゃで遊べるのもウチのウリですね」。まるで友達の家に遊びに行った子どものようじゃないか。ただ、それだけお客さんがくつろげるお店ということでもあるのだ。

ヒーローごっこをしても良し。 さぁ、ショータイムだ!!おもちゃでの遊び方はイマジネーション次第で無限大だゼ

マニアックな特撮ネタが散りばめられた数々のフード

「ウルトラ怪獣パフェ」(700円)は全6種。こちらは、かの有名なバルタン星人を模したもの

そして、フードにもこだわりが。「ほとんど特撮ネタに絡めたメニューにしてます。でも、やっぱり飲食店である以上おいしくなきゃダメなんで、味も追及してます」とトムゾウさん。確かに「ツインテールのニラまんじゅう」(600円)や「ムルチの塩漬け」(600円)など、特撮ファンならば思わずニヤリとしてしまうメニューが勢ぞろい。「このメニューの元ネタは? 」なんてクイズでも盛り上がれそう。

しかし、コンセプトバーというと基本的に料金が高いもの。財布の紐も防衛したい仮面ライターとしては値段が気になるところだ。

「OPEN~24時まではチャージ料として最初の90分が500円、それ以降30分ごとに150円で、24時~CLOSEまでは最初の90分が800円、それ以降30分ごとに250円いただいています。メニューはアルコールが600円~で、ソフトドリンクとフードは400円~。新宿のこのあたりのエリアにしてはだいぶリーズナブルだと思います。自分でも安く設定しすぎたかな、とちょっと後悔しているぐらいなので(笑)」。

つまり、アルコール2杯、フードを1品注文して2時間居座ったとしても2,000円ちょっと。さぁ、お前の銭を数えろ!! 好きなだけおもちゃで遊べて、かわいい女の子とマニアックな話ができるのにこんなに安いとは!

「世界の破壊者ディケイ丼」(800円)は「仮面ライダー ディケイド」の顔をモチーフにしている。ネギトロがたっぷりのっており味も絶品。今にもスーパー説教タイムが始まりそうだぞ!!

まどか隊員と特撮トークで盛り上がっていたのだが、そろそろ帰ってボスに報告をしなくては。おいとましようと思ったら「ご武運を! 」と、まどか隊員が愛くるしく敬礼して見送ってくれるではないか。まどか隊~員~~~~!!

うおおおお! これは世界を破壊するほど……もとい! 世界を救えるほどのエネルギーが湧いてきますぞ! ショッカーでも怪獣でも何でもかかってこい。ストレスフルな現代社会で戦い抜いた後は、「ぽんでぃしぇりぷらんたん」で童心に返るべし。特撮、キターーーーッ!!

(文・A4studio千葉雄樹)