日経BPコンサルティングは5月2日、全国5万5000人を対象とした大規模な「スマートフォンユーザーのネットワーク利用実感に関する満足度調査」の結果を公表。「エリア」「通話品質」「通信品質」などの項目すべてにおいてNTTドコモが満足度トップであることがわかった。

本調査はユーザーが実感している満足度を調査することで、スマートフォンに対する評価をより総合的に把握することを狙ったもの。全国47都道府県の15歳から59歳のNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルのスマートフォンユーザーに対し、Webアンケートで「エリア」「通話品質」「通信品質」の3項目と、「自宅内」「職場/学校」「移動中」「街中の商業施設/レジャースポット」「旅先の宿泊施設/観光スポット」の5つの利用シーンにおける満足度を尋ねた。調査期間は4月11日から22日まで。

各通信事業者の「満足」回答率1位獲得都道府県数

今回の調査では「ユーザーの利用実感」に着目。ユーザーにとって本当に満足度の高いネットワークを明らかにすることを目指した。調査の結果、「エリア」「通話品質」「通信品質」の3項目においてドコモが利用実感満足度ナンバーワンを獲得。また同3項目において「不満」「やや不満」と回答した利用者の割合を調べても、ドコモが他の2通信事業者より低かった。

ネットワーク主要3項目におけるユーザーの利用満足度

「エリア」に関しては、いずれの通信事業者においても満足度が高く不満傾向は1割前後だった。ドコモでは40.0%が「満足」と回答。「やや満足」も含めると78.2%に上った。次いでKDDI(au)が約7割、ソフトバンクモバイルで約6割の利用者が満足傾向を示した。

「通話品質」については「つながりやすさ」「音質のよさ(クリア、聞き取りやすい)」「ノイズがない」「途切れのなさ」など、「通信品質」については「つながりやすさ」「通信速度」「途切れのなさ」などに対しての満足度を尋ねた。「通話品質」に不満傾向を示したドコモユーザーは1割未満と低かった。

また本調査では、各都道府県の人口規模に応じてそれぞれの回収数を600、900、1200、1800、3900、5700サンプルの6パターンで割り当て、各都道府県での満足度も明らかにした。その結果、都道府県別でみるとドコモが「エリア」で46都道府県、「通話品質」で43都道府県、「通信品質」で45都道府県においてナンバーワンという圧倒的な強さをみせた。

このほか、回答者の属性別にも満足度を分析。その結果、主要な4つのユーザー層である会社員・主婦・中学生・大学生における「満足」「やや満足」の割合は、3項目すべてにおいてドコモが優位だった。生活行動の異なるユーザー層を問わず、ドコモでは満足度が高いことが分かった。

さらに、「自宅内」「職場/学校」「移動中」「街中の商業施設/レジャースポット」「旅先の宿泊施設/観光スポット」の5つの利用シーンを設定し、同様に調査を行った。その結果、いずれの場所においてもドコモが優位だった。「自宅内」ではいずれの通信事業者も6割以上が「満足」「やや満足」の結果だった。一方、「移動中」では満足傾向が6割に届かなかった。次いで低いのが「旅先の宿泊施設/観光スポット」。各通信事業者の地方におけるネットワーク強化が求められる。

(執筆:大石はるか)