説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「海外出張が多い私におすすめのiPhoneは?」という質問に答えます。

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海外出張が多い人には、ズバリ「SIMフリー版iPhone」がおすすめです。国内携帯電話会社の販売店のように、長期契約にもとづく割引制度はありませんが、渡航先の携帯電話会社で取り扱うプリペイドSIMカードに差し替えて使うことができます。自分のiPhoneですから、レンタルしたときのように気を使う必要はありませんし、アドレス帳や使い慣れたアプリもそのまま利用できるメリットがあります。

渡航先のプリペイドSIMカードは、現地での通話はローミング(提携した通信事業者間の回線を利用できるサービス)に比べ割安です。データ通信サービスも現地のプランが利用できますから、ローミングに比べ割安になることがあります。たとえば、タイのDTAC社が提供する「ハッピーツーリストSIM」は、約千円でデータ通信を1週間無制限で利用できます。インドネシアやフィリピンなど他のアジア諸国でも、同じ価格帯でプリペイドSIMカードが販売されています。アメリカでも、T-Mobileが1日3ドルで通話/データ通信が無制限というプリペイドSIMカードを扱っています。

国内携帯電話会社も、いろいろな海外パケット定額サービスを提供していますが、データ通信量に制限があったり1日単位の課金だったりで、気楽さという点ではプリペイドSIMカードのほうが上です。特にソフトバンクのプラン(海外パケットし放題)の場合、特定の通信事業者に接続しなければパケット通信料が想像以上に高額となる「パケ死」を招きかねません。

ただし、プリペイドSIMカードでは日本で利用している携帯電話番号を使えません。LINEなどの通話機能を備えたアプリを用意すれば、音声通話そのものは可能ですから、出かける前に準備しておく必要はあるでしょう。

SIMフリー版iPhoneは、渡航先で安価なプリペイドSIMカードを使えるメリットがあります